大判例

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京都地方裁判所 昭和44年(モ)947号 決定

申立人(原告)

湯川富造

代理人

柴田玆行

外三名

被申立人(被告)

大阪国税局長

佐藤吉男

指定代理人

鎌田泰輝

外三名

主文

右当事者間の昭和四三年(行ウ)第二号審査請求に対する不作為違法確認請求事件について、昭和四三年九月二五日当裁判所が言渡した判決にもとずいて負担する訴訟費用額及び費用確定手続の費用額を、金二、〇七一円と確定する。

理由

一、別紙計算書(1)ないし(7)について。

申立人が、その権利の伸張、防禦をはかるため、別紙計算書(1)ないし(7)記載の各費用を支出したことは、当裁判所に顕著な事実であり、また上記各費用が、いずれも民事訴訟費用法にいう訴訟費用に該当することは、明らかである。

二、同(8)について。

申立人が肩書地に居住していることに照らすと、申立人が弁護士に訴訟を委任するため、市電を利用し、弁護士事務所まで往復して記載の交通費を支出したと推認することができる。

訴訟当事者が弁護士に訴訟を委任するために要した費用にして権利の伸張、防禦に必要なものは、民事訴訟費用法にいう訴訟費用に該当すると解すべきであり(大審院昭和一二年九月二二日民事第四部決定、民集一六巻二一号一四四八頁参照)、弁護士に訴訟を委任するために要した上記旅費が権利の伸張、防禦に必要なものであることは、明らかである。

三、同(9)について。

本件訴状が、郵送によらず、直接裁判所に持参して提出されたものであることは、当裁判所に顕著な事実である。

被申立人は、「本件訴状提出は、昭和四三年六月八日、民主商工会の指導統制下に、原告の異なる他の同種不作為違法確認の訴え一〇七件の訴状提出と同時になされたものであり、実質上同一当事者から提出されたものと同視しうるから、訴状提出日当は、一度分を一〇八件に均分されるべきである。」と主張する。

しかし、民事訴訟費用法第九条にいう「出頭一度」とは、出頭した各別の事件を基準として算定すべきものと解するのが相当であるから、同一訴訟代理人が、同一日に(同時に又は順次に)、数個の事件の訴状を提出した場合でも、日当は各事件毎に支給すべきものと解するのが相当である。

したがって、被申立人の主張は採用できない。

四、同(10)について。

申立人は、昭和四三年八月一四日に開かれた本件第一回口頭弁論期日における原告出頭日当を、訴訟費用算定項目として申立てている。しかしながら、右口頭弁論期日に原告(申立人)の訴訟代理人が出頭し、弁論をしたことは当裁判所に顕著な事実であるから、このような場合には、原告(申立人)が右口頭弁論期日に出頭したか否かにかかわらず、右訴訟代理人一人分についての日当を、訴訟費用として算定すべきものと解するのが相当である。

同一訴訟代理人が、同一口頭弁論期日に数個の事件の訴訟代理人として出頭した場合でも、日当は各事件毎に支給すべきものと解すべきである(東京高等裁判所昭和四一年一月二七日第八民事部決定、東京高裁判決時報一七巻民二頁)。

五、確定額

以上の合計金額は、金二、〇八五円となるが、申立人の申立額は金二、〇七一円であるから、右申立額を以て訴訟費用額及び費用確定手続の費用額と確定する。(小西勝 山本博文 那須彰)

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