大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

京都地方裁判所 昭和61年(わ)569号 判決

本籍

京都市山科区御陵平林町五番地

住居

京都市山科区西野山岩ケ谷町一二番地

会社役員

杉本一郎

昭和四年八月三日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官山根英嗣、浦文計出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年二月及び罰金二〇〇〇万に処する。

右罰金を完納することができないときは、金四万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人杉本一郎は、自己の所有する京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町一六番地ほか五筆の宅地、建物及び付属建物等を五八年五月二六日インターナショナルインベストメント株式会社に四億七、〇〇〇万円で売却譲渡したことに関して、右譲渡にかかる所得税を免れようと企て、全国同和対策促進協議会中央本部本部長大石忠勝、同本部事務総長黒宮功らと共謀の上、自己の実際の五八年分分離課税の長期譲渡所得金額は、三億六、一八九万八、一七〇円、総合課税の総所得金額は四三〇万三、七二八円で、これに対する所得税額が一億二、二九〇万七、八〇〇円であり、かつ右所得は五八年分として申告すべきところ、右譲渡時期は、同五七年一二月三〇日で、買主は全学校用地整備社であり、しかも全国同和対策促進協議会中央本部(本部長大石忠勝)に対し売却に要した費用として不動産管理手数料一億六、七〇〇万円を支払った旨仮装するなどし、同五八年七月一八日、京都市右京区西院上花田町一〇番地の一所在所轄右京税務署に右杉本の五七年分分離課税の長期譲渡所得金額が一億一、五三四万一、九九四円、これに対する所得税額が三、〇二五万円について申告漏れとなっていた旨の虚偽の五七年分所得税修正申告書を提出して前期宅地・建物等の譲渡にかかる所得税について申告ずみであるように装うなどした上、同五九年三月三日、京都市東山区馬町通東大路西入新シ町所在所轄東山税務署において、同署長に対し、右杉本の五八年分分離課税の長期譲渡所得金額はなく、総合課税の総所得金額は四三〇万三、七二八円で、これに対する所得税額は九万八、一〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右の正規の所得税額一億二、二九〇万七、八〇〇円との差額一億二、二八〇万九、七〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書七通

一  大川功、和泉義輝、笠原明道、松本庄八、澤井滿、山本健司、奥村善弘、松井信夫、杉本善夫(二通)、杉本克子(二通)、杉本仁郎の検察官に対する各供述調書

一  大石忠勝(五通)、黒宮功(五通)の検察官に対する各供述調書謄本

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書

一  大蔵事務官作成の証明書四通(検第二号ないし五号)

一  大蔵事務官作成の査察官調査書

(法令の適用)

判示所為 所得税法二三八条一、二項、刑法六〇条(懲役と罰金の併科刑選択)

換刑処分 刑法一八条

懲役刑の執行猶予 刑法二五条一項

(裁判官 濱田武律)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com