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仙台地方裁判所 昭和32年(行)14号 判決

原告 鎌田安治

被告 若柳町選挙管理委員会

主文

被告が宮城県栗原郡若柳町議会議員鎌田安治解職請求者署名簿の署名の効力に関する原告の異議申立につき昭和三二年九月一八日した申立棄却の決定のうち、別紙目録記載の署名中署名番号一一〇九、二〇八〇の各署名を除くその余の署名に関する部分を取り消す。

原告の署名有効証明無効確認の訴を却下する。

原告その余の請求を棄却する。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は「一、被告が宮城県栗原郡若柳町議会議員鎌田安治解職請求者署名簿の署名の効力に関する原告の異議申立につき昭和三二年九月一八日した申立棄却の決定のうち、別紙目録記載の署名に関する部分を取り消す。二、被告が右署名簿の署名につき昭和三二年八月二八日した有効証明のうち、別紙目録記載の署名に関する部分が無効であることを確定する。三、訴訟費用は被告の負担とする。との判決を求める旨申し立て、その請求原因として、

「一、原告は宮城県栗原郡若柳町議会議員の選挙権を有し、かつ、同町議会議員であるが、被告は同町議会議員の選挙権を有する訴外富安文七、藤原規、伊藤照一に対し昭和三二年七月四日原告の解職請求代表者たる証明書を交付し、即日その旨告示した。

二、そこで、右訴外人らは直ちに署名収集の運動を開始し、有権者総数の三分の一にあたる法定数二、二六九を二〇三超える二、四七二名の署名を集めたとして、昭和三二年八月九日その署名簿三〇冊を被告に提出し、これに署名し印をおした者が選挙人名簿に記載された者であることの証明を求めた。

三、被告は右署名簿につき審査を行い、昭和三二年八月二八日署名総数二、四七二のうち一三〇名の署名を無効、その余の二、三四二名の署名を有効と決定し、即日その旨証明すると共に若柳町役場掲示場に告示し、翌二九日から七日間右署名簿を関係人の縦覧に供した。

四、そこで原告は有効と決定された右署名に関し昭和三二年九月四日被告に対し異議の申立をしたところ、被告は同月一八日さきに有効と決定した右署名二、三四二のうち三九名の署名を無効と修正し、その余の二、三〇三(法定数を三四超える)名の署名(別紙目録記載の署名を含む)については異議申立を棄却し、即日その旨告示し、原告に通知した。

五、しかしながら別紙目録記載五六名の署名はいずれも本人の自署でなく他人が代筆したものであるから無効である。

六、よつて被告が別紙目録記載の署名につき(一)昭和三二年九月一八日原告の異議申立を棄却した決定部分の取消(二)昭和三二年八月二八日有効とした証明部分の無効確認を求めるため本訴に及ぶ。」と陳述した。

(立証省略)

被告訴訟代理人は「原審の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として「原告主張一、ないし四、の事実は認めるが、五、の事実は否認する。別紙目録記載の署名はいずれも本人が自署したものである。」と述べた。(立証省略)

理由

原告主張一、ないし四、の事実については当事者間に争いがない。

そこで別紙目録記載の署名の効力につき判断するに、

1、「一四番高橋ひさ」の署名については、証人高橋ひさ、高橋恵子の各証言により、

2、「九三番三浦ときよ」の署名については、証人三浦ときよの証言により、

3、「九七番末永ふみ」の署名については、証人末永ふみの証言により、

4、「九八番末永初男」の署名については、証人末永初男の証言により、

5、「一〇三番山田英吉」の署名については、証人山田英吉、山田みつをの各証言により、

6、「一〇四番山田みつを」の署名については、証人山田みつを、山田栄吉の各証言により、

7、「一一八番鈴木とみ子」の署名については、証人鈴木とみ子の証言により、

8、「一二二番阿部隆治」の署名については、証人阿部ゑよのの証言により、

9、「一二三番阿部ゑよの」の署名については、証人阿部ゑよのの証言により、

10、「一三三番佐藤三右ヱ門」の署名については、証人佐藤三右ヱ門、佐藤正男の各証言により、

11、「一三四番佐藤ふく」の署名については、証人佐藤フク、佐藤ふさよ、佐藤三右ヱ門、佐藤正男の各証言により、

12、「一四一番芳川隆芳」の署名については、証人芳川隆芳、芳川はるみの各証言により、

13、「一五三番佐々木善作」の署名については、証人佐々木やえつの証言により、

14、「一八一番清水滝代」の署名については、証人清水滝代、清水貞澄の各証言により、

15、「二五六番菅原春子」の署名については、証人菅原春子の証言により、

16、「二八八番伊藤おいし」の署名については、証人伊藤あいす、伊藤馨の各証言により、

17、「三一九番菅原絹江」の署名については、証人菅原絹江、菅原喜八の各証言により、

18、「三九四番道伝みよし」の署名については、証人道伝源助の証言により、

19、「一一〇三番佐藤正喜」の署名については、証人佐藤正喜、佐藤あや子の各証言により、

20、「一一〇四番小野寺郁徳」の署名については、証人小野寺かねを、小野寺和雄の各証言により、

21、「一一一〇番菅原貞」の署名については、証人菅原さだ子、菅原康男の各証言により、

22、「一一一七番菅原ウメヨ」の署名については、証人菅原松三郎の証言により、

23、「一一一八番菅原松三郎」の署名については、証人菅原松三郎の証言により、

24、「一一二五番佐藤としえ」の署名については、証人佐藤としゑ、佐藤勝雄の各証言により、

25、「一一二七番亀田みさ子」の署名については、証人亀田ミサコの証言により、

26、「一三六九番鎌田東次郎」の署名については、証人鎌田東治郎の証言により、

27、「一三七〇番鎌田うた子」の署名については、証人鎌田うた子の証言により、

28、「一四二五番大内儀作」の署名については、証人大内儀作の証言により、

29、「一五四九番沼倉としえ」の署名については、証人沼倉としゑの証言により、

30、「一五九二番小野寺克己」の署名については、証人小野寺克己、小野寺ちよしの各証言により、

31、「一六四二番三浦直十郎」の署名については、証人三浦直十郎、三浦なみ子の各証言により、

32、「一六四九番堀よしの」の署名については、証人堀よしのの証言により、

33、「一六七九番伊藤よしを」の署名については、証人伊藤よしを、伊藤貞子の各証言により、

34、「一六八〇番伊藤貞子」の署名については、証人伊藤貞子の証言により、

35、「一六九四番チバトヨキ」の署名については、証人千葉岩貞の証言により、

36、「一八一二番稲辺正治」の署名については、証人稲辺正治、稲辺常子の各証言により、

37、「一八一三番稲辺常子」の署名については、証人稲辺常子、稲辺正治の各証言により、

38、「一八七五番今野哲雄」の署名については、証人今野哲雄、今野昭の各証言により、

39、「一八七八番今野とき子」の署名については、証人今野とき子、今野かつみ、今野哲雄の各証言により、

40、「一八八三番小野寺哲」の署名については、証人小野寺哲、小野寺さつ子の各証言により、

41、「一八八六番三浦庄市」の署名については証人三浦章次の証言により、

42、「一八八七番三浦ちよ子」の署名については、証人三浦章次の証言により、

43、「一八九〇番高橋よの」の署名については、証人高橋栄男の証言により、

44、「一八九五番佐藤きつよ」の署名については、証人佐藤武雄、佐藤トメノの各証言により、

45、「一八九六番佐藤トメノ」の署名については、証人佐藤トメノの証言により、

46、「一九〇五番佐藤照夫」の署名については、証人佐藤時男の証言により、

47、「一九一九番林昭一」の署名については、証人林昭一、林ちわ子の各証言により、

48、「一九二六番菅原章」の署名については、証人菅原ちとせの証言により、

49、「一九二七番菅原ひとし」の署名については、証人菅原ちとせの証言により、

50、「二〇一一番佐藤ふよこ」の署名については、証人佐藤ふよこ、佐藤千代人の各証言により、

51、「二〇一九番小野寺ひさよ」の署名については、証人小野寺勇治の証言により、

52、「二〇二六番佐藤はつ子」の署名については、証人佐藤栄の証言により、

53、「二〇九七番ちばちゑこ」の署名については、証人千葉ちゑ子の証言により、

54、「二一〇七番くまがいはぎ」の署名については、証人熊谷たまじの証言により、

いずれも本人の自署でないことが認められ、他に右認定を覆すに足りる証拠は存しないから、以上の各署名はいずれも無効というべきである。次に、

1、「一一〇九番菅原さだ子」の署名については、証人菅原さだ子の証言により、2、「二〇八〇番菅原伝」の署名については、証人菅原伝の証言及び本件署名簿第二二号であることにつき争いがない甲第二二号証中の右署名の筆跡と同証人が宣誓書に手記した署名の筆跡との対照の結果により、

いずれも本人の自署であることが認められ、他に右認定を覆すに足りる証拠は存しないから、右各署名は有効というべきである。

しからば、被告が昭和三二年九月一八日原告の異議申立を棄却した決定のうち、別紙目録記載の署名中(一)署名番号一一〇九、二〇八〇の各有効署名に関する部分は正当であり、この点に関する原告の請求は失当として棄却さるべきであるが、(二)その余の各無効署名に関する部分(この無効は本件解職請求の適否に決定的効果を及ぼす)は違法として取消を免れない。

しかして本訴請求のうち、署名有効証明無効確認を求める部分は、本件異議棄却決定取消請求において署名の効力自体が判断、確定されるものである以上、特にこれを許す必要はないというべきであるからこの部分については不適法として却下の運命を免れない。

よつて、原告の本訴請求は右(二)の決定の取消を求める限度で正当として認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九二条を適用して主文のように判決する。

(裁判官 中川毅 宮崎富哉 佐藤邦夫)

(別紙目録省略)

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