大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)268号 判決

被告人

荒川治郞

主文

本件控訴を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人菅井良助の控訴趣意について。

記録によれば本件おいて、公訴事実第二の「被告人は昭和二十四年八月二十三日頃自宅において氏名不詳の年齢三十歳位の女から賍物であることの情を知りながら古物である銘仙女物模様袷外八点を金九千円にて買受け以て故買したものである」との賍物故買の訴因が、「被告人は昭和二十四年八月十日の午前一時過ぎ頃盛岡市鉈屋町百二十九番地高間木与八方において同人所有のラシヤ製オーバー一着外衣類等三十八点を窃取したものである」と変更されたものなることは所論のとおり明らかである。しかるに記録を検討すれば右変更前の公訴事実中、被告人が買受けたものとして表示されている銘仙女物模様袷外八点は、変更後の公訴事実に表示されている高間木与八方において窃取された衣類の一部であることが明白である。しかりとすれば右の被告人が盜品の一部を故買したか、然らずして自ら全部を窃取したかは基本たる事実関係が同一であるから、前記の訴因の変更は、公訴事実の同一を害しない限度においてなしたものであるとみるべきものである。従つて原審が右訴因の変更を許容し、変更された訴因についても審判したのは毫も違法がなく、本件が適法な起訴がないことに帰するものであるといいえないことは言を俟たない。論旨は理由がない。

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