大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)478号 判決

被告人

泉昌

主文

原判決を破棄し、本件を青森地方裁判所に差戻す。

理由

職権を以て記録を査閲するに、

(一)  本件は、当初、昭和二十五年三月十六日、単独裁判官新妻太郎係で、同年二月十一日起訴されたもの(昭和二十五年(わ)第一三号事件)と同年三月六日起訴されたもの(同年(わ)第三五号事件)とが併合審理され、一旦終結となつたが、同年三月二十二日附で弁論再開決定並びに爾後審判を合議体で行うべき決定がなされ、其の結果同年四月四日、裁判長裁判官新妻太郎、裁判官小友末知、裁判官中沢日出国の係の下に再開審理が行われたのであつて、此の日の公判(第二回公判)に於て審理が更新され検察官が右二月十一日附及び三月六日附の二箇の起訴状を朗読し、其後前回同様の証拠調の請求、之に対する認否の陳述、証拠決定、証拠調施行があつた後、裁判長は合議の上此事件に、昭和二十五年三月二十日附起訴状で起訴された事件(同年(わ)第四九号事件)を併合する旨宣した処、検察官は直ちに証拠調の請求をし其後の訴訟手続が進行して居ることが認められるのであつて、検察官が右三月二十日附起訴状を朗読した形跡は何処にも認められない。斯の如きは、公判廷に於て起訴状の朗読がなかつた儘訴訟手続が進行されたものと解するの外なく、斯様な訴訟手続の違背は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は刑事訴訟法第三百九十七条、第三百七十九条に依つて破棄を免れない。

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