大判例

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名古屋高等裁判所 昭和37年(ネ)319号 判決

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は「原判決はこれを取消す被控訴人は控訴人に対し金拾四万四千八百円及びこれに対する昭和三十五年十一月二十九日より支払済に至るまで年五分の割合による金員を支払え訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴代理人は控訴棄却を申立てた。

当事者双方の事実上の陳述、証拠の提出援用及び書証の認否は、左記の外、原判決摘示事実の通りであるから、ここにこれを引用する。

一、控訴代理人の主張

先ず事実認定の問題として一般的に云えることは売買契約の保証人は当然売買契約が解除される如きことがあつて、主たる債務者が買主に対し負担することあるべき原状回復義務を保証する。即ちその様な場合にも責任を負う意思で保証していると考えるのが正しいことは吾人の一般経験則に照して間違いのない事実であり、従つて当事者間に特段の事情なき限り保証人の責任はあると云うべきであり、又法律解釈論としても契約解除の結果その効果が遡及し、ために保証契約も当然消滅すると解すべきではなく、契約解除の結果売買契約とは別個の契約に基づく保証契約者の責任は当然主たる債務者の責任が原状回復義務に変形して残存する以上存続すると解すべきである。

売買契約解除の効果は遡及しても主たる債務者の責任が消滅しない以上従たる債務者(保証人)の責任も消滅しない。

二、証拠(省略)

理由

当審が控訴人の請求を棄却する理由は、原判決の理由と同一であるから、ここにこれを引用する。当審における控訴人及び被控訴人本人尋問の結果中原判決認定事実に反する部分は、原判決援用の証拠に照らし採用できない。他に控訴人主張事実を認める証拠無く、控訴人主張の経験法則、法解釈は控訴人独自の見解で採ることができない。

よつて、原判決は相当で、本件控訴は民事訴訟法第三八四条により理由がないとしてこれを棄却し、控訴費用について、同法第九五条、第八九条を適用し主文のとおり判決する。

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