大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

名古屋高等裁判所 昭和42年(く)39号 決定

少年 B・H(昭二二・一一・一三生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告申立の趣意は、附添人弁護土鷲見勇平、同平松勇二両名名義の抗告申立書に記載されているとおりであるから、ここにこれを引用するが、その要旨は、原決定の処分が著しく不当である、というのである。

所論にかんがみ、本件保護事件記録および少年調査記録を精査して考察するに、少年(ただし、現在は既に成年に達しているが、以下少年と略称する。)は、原決定書末尾添付の非行処分歴一覧表記載のとおり昭和三九年九月五日以降本件非行までの間に自動車の無免許運転、速度違反、信号無視、免許条件違反などの道路交通法違反罪の非行により七回に亘り警察官に補導され、うち三回については罰金刑に処せられながら、なんら反省するところなく、重ねて本件非行に及んだものであること、従つて少年のこの種非行は常習的であり、少年に極端な遵法精神の欠如と交通道徳の麻痺が認められ、再非行のおそれが十分に窺知され、その資質の改善の急務であることが窺われること、一方少年の保護者は少年に対し、従来日常的指導が放漫に過ぎ、本件後少年に対し関心を強めたもののいささか庇護的に堕して具体的方策を欠き、保護の能力に乏しく、適切な指導を期待し難いことなどが認められるので、この際少年の健全な育成を達するためには、少年に対し規律ある団体生活と矯正教育を施すことが緊要であつて、保護施設に収容するため、少年を中等少年院に送致する旨の原決定は、まことに適切至当の措置であると認められ、これが所論のごとく著しく不当であるとは、とうてい認め難い。論旨は理由がない。

よつて、本件抗告は、その理由がないから、少年法第三三条第一項、少年審判規則第五〇条により、これを棄却することとして、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 坂本収二 裁判官 藤本忠雄 裁判官 福田健次)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com