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大阪地方裁判所 平成4年(ワ)4763号 判決

原告

芝田貴之

ほか二名

被告

石原靖久

主文

一  被告は、原告芝田貴之に対し、九三四八万七〇五〇円及びこれに対する平成三年七月八日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告は、原告芝田紀夫、同芝田澄代に対し、各六六〇万円及びうち各六〇〇万円に対する平成三年七月八日から支払済みに至るまで、うち各六〇万円に対する平成四年六月二三日から支払済みに至るまで年五分の割合による各金員をそれぞれ支払え。

三  原告らその余の請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用は、これを五分し、その二を原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

五  この判決は、原告ら勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

被告は、原告芝田貴之に対し一億五〇〇〇万円及びこれに対する平成三年七月八日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を、原告芝田紀夫、同澄代に対し各二〇〇〇万円及びうち各一九〇〇万円に対する平成三年七月八日から各支払済みに至るまで、うち各一〇〇万円に対する平成四年六月二三日から各支払済みに至るまで年五分の割合による各金員をそれぞれ支払え(後記原告ら主張額合計額の一部請求)。

第二事案の概要

国道を走行中の乗用車が運転を誤り飲食店に突入し、同店入口付近にいた高校一年の男子の両下肢を轢過し、重傷を負わせた事件に関し、被害者及びその両親が右乗用車の保有者兼運転者を相手に自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)三条に基づき損害賠償を求め、提訴した事案である。

一  争いのない事実等(証拠摘示のない事実は、争いのない事実である。)

1  事故の発生(以下「本件事故」という。)

(一) 日時 平成三年七月七日午前四時五分ころ

(二) 場所 大阪府箕面市半町三丁目一四―二八国道一七一号線沿い飲食店(以下「本件事故現場」という。)

(三) 被害者 原告芝田貴之(以下「原告貴之」という。)

(四) 事故車 被告が保有し、かつ、運転していた普通乗用自動車(大阪三五ろ七〇九五、以下「被告車」という。)

(五) 事故態様 国道を走行中の乗用車が運転を誤り飲食店に突入し、同店出入口付近にいた原告貴之の両下肢を轢過し、重傷を負わせたもの(原告澄代本人尋問の結果)

2  治療経過(甲第一号症の1ないし6、第二号証)

原告貴之は、両下肢挫滅、出血性シヨツク等の重傷を負い、豊中市にある林病院を経て、三島救命救急医療センター(以下「三島救急センター」という。)に搬送され、平成三年七月七日から同年一〇月三一日まで(一一七日間)同センターに入院し、同年一一月二五日から平成四年一月三一日までの間、六八日間にわたり、兵庫県玉津福祉センターリハビリテーシヨンセンター附属中央病院(以下「玉津センター」という。)に入院し、同日、症状が固定した。

3  後遺障害

原告貴之は、本件事故により、両下肢を左大腿骨骨幹部下部から喪失し(甲第一号証の一)、自算会から自賠法施行令二条別表第一級に該当する旨の認定を受けた。

4  損害及び既払額

(一) 原告貴之は、本件事故による傷害の治療費として一二五七万〇六五三円を負担した。

(二) 本件事故による損害に関し、原告貴之は、被告から、治療費として一二五七万〇六五三円、義足作成費として二〇四万一六七九円、車椅子作成費として一五万八〇〇〇円の、自賠責保険会社から後遺障害に関する給付として三〇〇〇万円の各支払いを受けた。

二  争点

本件の争点は、損害全般額である。

第三争点に対する判断

一  原告貴之の損害

1  治療費

本件事故により、原告貴之が治療費として一二五七万〇六五三円を負担したことは当事者間に争いがない。

2  入院雑費(主張額二六万八五〇〇円)

前記認定事実によれば、原告貴之は、三島救命救急医療センター(以下「三島救急センター」という。)に搬送され、平成三年七月七日から同年一〇月三一日まで(一一七日間)及び同年一一月二五日から平成四年一月三一日まで(六八日間)玉津センターに入院(入院日数合計一八五日)したものと認められるところ、弁論の全趣旨によれば、右入院中、雑費として一日当たり一三〇〇円が必要であつたものと推認される。したがつて、その間の入院雑費は、二四万〇五〇〇円を要したものと認められる。

3  付添看護費(主張額八八万五五〇〇円)

原告貴之は、前記入院期間中、近親者により付添看護を要したものと主張する。しかし、同入院期間に対応する甲第一号証の1ないし6の各診断書によれば、「付添看護を要した期間」の欄がいずれも空欄となつていること、甲第一一号証の玉津センターの診療録中の看護記録によれば、看護婦により排尿排便、移動等につき全面的看護がなされている反面、父母については面会の有無の記載が散見されるにとどまつていることが認められ、他に右付添看護の必要性、相当性及び付添看護の事実を認めるに足る的確な証拠はないから、右主張は採用できない。

4  義足作成費(主張額二〇四万一六七九円)

甲第二号証、第一一号証、甲第二号証、第三号証の4、5、甲第九号証の1、2、検甲第二号証の1、2及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之は、本件事故により両足を切断した結果、後記車椅子の他、義足への適応があると診断されており、義足を装着し松葉杖を使用すれば移動が可能であり、義足使用の必要性、相当性が認められるところ、義足作成費として被告が二〇四万一六七九円を支出したことは当事者間に争いがないこと等弁論の全趣旨を考慮すると、同原告は、同費用として同額を負担したものと認められる。

5  義足の交換費用(主張額三三八六万二七四〇円)

原告貴之は、同原告には、歩行用義足(歩行を主目的としたもの)と車椅子用義足(車椅子に乗りやすいよう製作したもの)とが必要であり、前者の時価は一六一万三四二八円、後者の時価は一二〇万八四六七円であるところ、義足の耐用年数は最長でも五年であるから、同原告の平均余命六一・二一年の間に少なくとも一二回の買替えが必要であり、その費用が損害に当たると主張するので、この点につき検討する。

前記認定のとおり、歩行用義足はその必要性、相当性が認められ、また、甲第九号証の1、2、乙第七号証及び弁論の全趣旨によれば車椅子用義足は、車椅子での移動を行う際に肉体的負担を軽減(移動に伴うシヨツクを和らげる等)し、両足欠損を人目にさらすことへの同原告の精神的苦痛を考慮すると、同義足の必要性、相当性もまた認められ、甲第一六号証の1によれば、各義足の時価が原告貴之主張額のとおりであることと認められる。

しかし、検甲第三号証の四、五及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之は、義足で歩行することは苦痛が大きく、かつ、段差があつた場合の対処が困難なため、日常生活においては義足をほとんど使用していないことが認められ、また前記認定のとおり、車椅子用義足は、車椅子での移動を行う際に肉体的負担を軽減(移動に伴うシヨツクを和らげる等)するとともに、両足が欠損していることが他人の目に触れることに関する精神的苦痛を避けるためのものであり、歩行自体を主目的としたものではないことが認められる。したがつて、これら義足は通常の場合と比較し使用頻度が少なく、その耐用年数は相当長いものになると推認されるが、他面、使用頻度が少ない場合でも長期間の経過による破損、傷みが生ずることは避けられないことを考慮すると、本件における歩行用義足、車椅子用義足の耐用年数は各一〇年と認めるのが相当である。

なお、被告は、歩行用義足は使用頻度が極度に少ないし、将来的にも使用の機会はないし、車椅子用義足も本来必要とされる義足ではないし、既に作製済みの義足で充分であり、買替の必要性はないし、耐用年数も極度に長いはずであると主張する。しかし、使用頻度は少ないとはいえ、車椅子よりも松葉杖及び義足を使用した方が良い場合(例えば、段差のある箇所での移動)が想定し得る以上、歩行用義足の必要性がないとは認め難いし、車椅子用義足も両足の欠損が人目につかないためという歩行用のものとは目的を異にする義足である以上、機能、用途、構造を異にすることが容易に推認し得るから、歩行用義足での代用が可能とは認められない。もつとも、使用頻度が少ない以上、耐用年数が長いことは当然であるが、いかに使用頻度が少ない用具といえど一〇年も経過すれば老朽化するのが通例であるのは経験則上明らかであるから、前記のとおり、各義足の耐用年数は一〇年と認めるのが相当であり、被告の主張はこの限度で採用することとする。

以上から、平均余命を考慮の上、中間利息控除にホフマン方式を採用して、原告貴之の将来の義足交換費用の本件事故当時の現価を算定すると、次の算式のとおり、六八七万三五七一円となる。

(歩行用義足費用+車椅子用義足費用)×((一〇年のホフマン係数-九年のホフマン係数)+(二〇年のホフマン係数-一九年のホフマン係数)+(三〇年のホフマン係数-二九年のホフマン係数)+(四〇年のホフマン係数-三九年のホフマン係数)+(五〇年のホフマン係数-四九年のホフマン係数)+(六〇年のホフマン係数-五九年のホフマン係数))=(1613428+1208467)×((7.9449-7.2782)+(13.6160-13.1160)+(18.0293-17.6293)+(21.6426-21.3092)+(24.7019-24.4162)+(27.3547-27.1047))=6873571

6  車椅子作成費(主張額一五万八〇〇〇円)

甲第二号証、第一一号証、検甲第二号証、第三号証の4、5及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之は、本件事故により両足を切断した結果、日常の移動は主として車椅子により行つており、車椅子使用の必要性、相当性が認められるところ、同作成費として被告が一五万八〇〇〇円を支出したことは当事者間に争いがないこと等弁論の全趣旨を考慮すると、同原告は、同費用として同額を負担したものと認められる。

7  体育実技用特製車椅子等(主張額二一万八九〇〇円)

甲第一五号証1、2によれば、原告貴之は、大阪府立園芸高等学校において、体育実技の実技指導を受けるに際し、体によく合い、動きに耐え得る運動用車椅子等が必要であり、その費用として二一万八九〇〇円が必要であることが認められる。

なお、被告は、専門の競技に使用されるような車椅子は不要であり、また、かかる費用は本来学校側が負担すべきものと主張する。しかし、甲第一五号証の1、2及び弁論の全趣旨によれば、原告貴之が通学する高校の体育の実技指導を受けるに際し、通常の車椅子では到底十分な対応ができないことは容易に推認できる事柄であり、かつ、同原告が必要と主張している車椅子は、体育実技を受ける上での一般的なものであり、特殊なものとは解されないし、他方、同費用を学校側が負担すべきとする法的根拠も見出し難いから、右被告の主張は採用しない。

8  将来の介護費用(主張額一億七四万円)

原告貴之は、同原告は、両下肢切断の後遺障害により、生涯車椅子の生活を余儀なくされ、日常生活に必要な諸活動の大半について他人の介護を要するから、職業的付添人の平均給与である日額一万円に同原告の平均余命に対応する期間のホフマン係数を乗じた介護費用が必要であると主張する。

甲第二号証、第一一号証、第一二号証及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之は、日常生活において自室で過ごしており、室内の移動は手で行い、洗面所、手洗いへの移動は車椅子を利用しており、一人での行動が可能であること、車椅子や便器への移動は自力でも可能であるが、時折、失敗すること、通学等外出に際しては付添が必要であることが認められる。原告貴之には、付添が必要であるが、職業的付添人までは必要ではなく家族の付添で足り、また、日常生活において、同原告が自力で可能な行動が多いことから、その付添は、一般の重度の身障者と比較し負担が軽い面があると考えられることを考慮すると、右付添費は一日当たり三〇〇〇円とし、付添が必要な期間は、平均余命を考慮すると症状固定後六〇年と認めるのが相当である(なお、将来において、時期は不明ながら、原告貴之の両親である同紀夫、同澄江が亡くなり、介護を他者に依頼しなければならない時期が来る可能性があることは否定できないが、かかる場合、少なくとも、右に認定した家族付添費と同額の損害は生ずるものと考えられる。)。

右認定に関し、被告は、甲第一一号証の玉津センターでの診療録の記載を根拠に、原告貴之は、頸髄脊髄レベルでの損傷が全くないため、同原告は、食事における配膳、下膳が可能であり、排尿、排便も自力で可能であり、移動、入浴、更衣等も全て可能であるから、将来介護の必要性は認められないと主張する。確かに、右診療録によれば、食事の配膳、摂食、下膳、排泄、車椅子での移動等に関し、自立可能との記載があるが、右記載は、病院内において食事等が準備され、設備等も適切なものが設置され、看護婦等による監視の目が行き届き、必要があれば直ちに介護できるという環境下でのものであり、右自立可能との評価をもつて一般人が単身で生活が可能であるのと同様の能力を有すると解することは相当ではない。すなわち、これらの記載は、食事が一人で自由に作れるとの趣旨ではないし、排泄にせよ可能なのは洋式の手洗いのみであり、和式の手洗いでは不可能なものであり、車椅子での移動が可能といつてもその乗り降りが自在にできるとの趣旨とまでは解されない。

原告貴之の後遺障害の内容、程度に照らすと、同原告は、日常生活において、多くの行動が単独で可能とはいえ、例えば、食事を自在に作り、階段を登り、低い位置から車椅子に乗り、浴槽に入り、ベツドから落ちた時に戻り、電車、バス等の一般公共交通機関を利用し、失火があつた時、消火し、逃げるなどの行動を単独でなすことには相当の困難があることが推認されるのであつて、介護が不必要とする被告の主張は採用できない。

以上から、ホフマン方式により中間利息を控除し、原告貴之の将来の付添費の本件事故当時の現価を算出すると、次の算式のとおり、二九九五万三三九六円となる。

3000×365×27.3547=29953396

9  介護用車両購入費(主張額三五〇万円)

甲第一二号証及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之の外出移動のためには、車椅子のまま乗降可能なワゴン車が必要であり、その費用として三五〇万円を要した旨主張する。

甲第八号証の1ないし3及び原告澄代本人尋問の結果によれば、右ワゴン車の購入費用(車両台、諸税保険料、車両販売関係諸費用等)として、少なくとも原告ら主張の合計三五〇万円を要したことが認められる。

10  身体障害者用自動車の改造費用(主張額二〇万円)

原告貴之は、同原告が将来運転免許を取得して車両を運転する場合には、自動車の改造費用として二〇万円が必要であると主張する。

しかし、自動車の運転免許の取得には適性が必要であり、同免許の取得の可否すら定かではない現在、免許を取得し、自動車を運転することが可能となつた場合の改造費を要するか否かもまた不明であるといわざるを得ず、前記原告らの主張は採用できない。

11  後遺障害逸失利益(主張額七一四二万七〇三四円)

甲第一二号証及び原告澄代本人尋問の結果によれば、原告貴之は、本件事故当時、一五歳の高校一年生であつたところ、同原告は、本件事故がなければ少なくとも高校を卒業し、満六七歳まで稼働することが可能であつたと推認される。最新の平均賃金である平成三年の賃金センサス第一巻第一表産業計・企業規模計・学歴計・男子労働者の一八歳から一九歳までの平均賃金が二三一万六九〇〇円であることは当裁判所にとつて顕著な事実であるところ、同原告の本件事故当時の労働能力を評価すると、右金額を下まわらないものと解するのが相当である。同原告は、本件事故により労働能力を完全に喪失したものと認められるから、ホフマン方式を採用して中間利息を控除し、同原告の後遺障害逸失利益の本件事故当時の現価を算定すると、次の算式のとおり、五二二〇万〇六八三円となる。

2316900×1×(25.2614-2.7310)=52200683

12  慰謝料(主張額傷害慰謝料三五〇万円、後遺障害慰謝料二五〇〇万円)

本件事故の態様、原告貴之の受傷内容と治療経過、後遺障害の内容、程度、同原告の学歴、年齢及び家庭環境、被告が原告貴之に相当多額の金員を支払つていること等、本件に現れた諸事情を考慮すると、慰謝料としては、二二〇〇万円が相当と認められる。

13  小計

以上1ないし12の損害を合計すると、一億二九七五万七三八二円となる。

14  損益相殺、弁護士費用、損害合計

本件事故により原告貴之に生じた損害に関し、同原告は、被告から、治療費として一二五七万〇六五三円、義足作成費として二〇四万一六七九円、車椅子作成費として一五万八〇〇〇円の、自賠責保険会社から後遺障害に関する給付として三〇〇〇万円の各支払いを受けたことは当事者間に争いがないから、前記損害小計一億二九七五万七三八二円から右既払合計四四七七万〇三三二円を差し引くと残額は八四九八万七〇五〇円となる。

本件の事案の内容、審理経過、認容額その他諸般の事情を考慮すると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用としての損害は八五〇万円が相当と認める。

前記損害合計八四九八万七〇五〇円に右八五〇万円を加えると、損害合計は九三四八万七〇五〇円となる。

二  原告紀夫、同澄代の損害(主張額各一〇〇万円)

1  固有の慰謝料(主張額受傷による慰謝料各一〇〇万円、後遺障害による慰謝料各三〇〇万円)

本件事故の態様、原告貴之の受傷内容、程度、治療経過、後遺障害の内容、程度、同原告の学歴、年齢及び家庭環境等、本件に現れた諸事情を考慮すると、本件事故による原告貴之の受傷、後遺障害により、同原告の父母である原告紀夫、同澄代には、同貴之が死亡したにも比肩すべき精神的苦痛が生じたものと認められるから、右苦痛に対する慰謝料としては各二〇〇万円が相当と認める。

2  家屋改造費相当額(主張額各六〇〇万円)

原告らが現在購入居住している家屋に昇降機を設置し、二階に洗面所・トイレを新たに設置するなどの改造を行う必要があり、その費用として少なくとも一二〇〇万円(原告紀夫、同澄代につき、各六〇〇万円)を要するものと主張する。

しかし、右費用は、出時の出入りや危急時の安全対策のためにはむしろ一階に同原告の居室を設けるのが合理的とも考えられること、原・被告双方の見積書である甲第七号証の1、2、乙第五号証を対比すると、原告貴之の居室を二階に設けた場合の改造費が約一二〇〇万円、一階に設けた場合の改造費が約八〇〇万円余とされていることなどを考慮すると、本件事故と相当因果関係がある自宅改造費は八〇〇万円(原告紀夫、同澄代につき、各四〇〇万円)と認めるのが相当である。

3  弁護士費用

本件の事案の内容、審理経過、認容額その他諸般の事情を考慮すると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用としての損害は、各原告につき各六〇万円が相当と認める。

4  損害合計

以上1ないし3の損害を合計すると、本件事故による損害は、原告紀夫、同澄代につき各六六〇万円となる。

三  まとめ

以上の次第で、原告らの被告に対する請求は、原告貴之が九三四八万七〇五〇円及びこれに対する本件事故の翌日である平成三年七月八日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で、原告紀夫、同澄代が各六六〇万円及びうち各六〇〇万円に対する本件事故の翌日である平成三年七月八日から支払済みに至るまで、うち各六〇万円に対する本訴状送達の翌日であることが本件記録上明らかである平成四年六月二三日から各支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の各支払いを求める限度でそれぞれ理由があるからこれらを認容し、その余はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条一項を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判官 大沼洋一)

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