大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

大阪地方裁判所 昭和42年(わ)291号 判決

本店所在地

大阪市生野区東桃谷町四丁目一五三番地

フナイ薬品工業株式会社

右代表者

松岡利郎

本籍

大阪府高槻市北園町三二二番地

住居

大阪府高槻市北園町九番二〇号

会社役員

松岡利郎

大正八年二月一七日生

右被告会社及び被告人に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官豊島時夫出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告会社フナイ薬品工業株式会社を罰金二千四百万円に

被告人松岡利郎を懲役十月に

各処する。

但し被告人松岡に対し本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社フナイ薬品工業株式会社は、大阪市生野区東桃谷町四丁目一五三番地に本店を置き、医薬品の製造販売等を営業目的とする資本金四、八〇〇万円の株式会社とあり、被告人松岡利郎は被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括していたのであるが、同被告人は被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもつて、左記各事業年度につき、それぞれ、売上収入、雑収入、期末棚卸高などの一部を除外し、架空経費を計上するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ

第一、昭和三七年一二月一日から昭和三八年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一三四、二六六、九四六円で、これに対する法人税額は五〇、〇七四、一一〇円であつたのにかかわらず、右所得金額中九一、〇一四、五一一円を秘匿して、昭和三九年一月三一日、大阪市生野区所在所轄生野税務署において、同税務署長に対し被告会社の右事業年度における所得金額は四三、二五二、四三五円で、これに対する法人税額は一五、四八九、七八〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記才した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税三四、五八、四、三三〇円は法定の納付期限を経過するもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

第二、昭和三八年一二月一日から昭和三九年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一八七、四一八、三七〇円で、これに対する法人税額は六九、〇三八、二一〇円であるのにかかわらず、右所得金額中一三三、二四一、二五八円を秘匿して、昭和四〇年二月一日前示所轄生野税務署において、同税務署長に対し、被告会社の右事業年度における所得金額は五四、一七七、一一二円で、これに対する法人税額は一八、四〇八、九〇〇円である旨、所得金額等を過少に虚偽記才した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税五〇、六二九、三一〇円は法定の納付期限を経過するのもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

第三、昭和三九年一二月一日から昭和四〇年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は二八二、九六九、八〇三円で、これに対する法人税額は一〇一、五八七、六一〇円であるのにかかわらず、右、所得金額中二〇八、七〇〇、六九七円を秘匿して昭和四一年一月三一日、前示所轄生野税務署において、同税務署長に対し、被告会社の右事業年度における所得金額は七四、二六九、一〇六円でこれに対する法人税額は二四、三七六、九三〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記才した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税七七、二一〇、六八〇円は法定の納付期限を経過するのもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、藤沢秀夫の大蔵事務官に対する質問てん末書(二通)検察官に対する供述調書、供述書(一二通)及び確認書(一六通)

一、肥田寿祥の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、高橋隆治の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大木一志こと大木重秋の大蔵事務官に対する質問てん末書(三通)

一、江上好治の大蔵事務官に対する質問てん末書(三通)及び供述書(三通)

一、井ノ口辰男の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、樋口章の供述書

一、田川六男の供述書(前綴分)

一、三木晃作成の売上除外調査書

一、久木栄一の証明書三通

一、被告人の当公廷における供述、大蔵事務官に対する質問てん末書(六通)、検察官に対する供述調書、歎願書、説明書、供述書(五通)

一、押収に係る総勘定元帳二冊、四綴、取締役部長会議事録一綴、整理表二綴、受取手形台帳二綴、手形受払帳八冊、財務諸表綴一綴、原材料在庫表四綴、各月棚卸表一綴、棚卸表五綴、金銭出納帳一三冊、三綴、不動産売買契約書一通、原材料買原簿一綴、原材料仕入帳三綴、売上原簿一〇綴、社員売上帳一冊、経費帳一冊(昭和四二年押第六〇〇号一乃至二八)

(法令の適用)

被告会社及び被告人の判示第一、第二の罪は各法人税法附則第一九条により、同法による改正前の法人税法第四八条第一項(被告会社につき更に同法第五一条第一項)に、判示第三の罪は法人税法第一五九条第一項(被告会社につき更に同法第一六四条第一項)にそれぞれ該当するところ、情状により被告会社に対し判示第一、第二の罪につき右改正前の法人税法第四八条第二項を、判示第三の罪につき法人税法第一五九条第二項を各適用したうえ、被告人につき所定刑中いずれも懲役刑を選択し、右各罪は刑法第四五条前段の併合罪であるから被告会社につき同法第四八条第二項により各罰金額(判示各逋脱額に同じ)を合算し、被告人につき同法第四七条第一〇条により犯情の重い判示第三の罪の刑に法定の加重をなし、それぞれの所定金額ないし刑期の範囲内において、被告会社を罰金二千四百万円に、被告人を懲役十月に各処し、情状に鑑み同法第二五条第一項を適用して本裁判確定の日から二年間被告人に対する右懲役刑の執行を猶予する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 村上幸太郎)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com