大判例

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大阪地方裁判所 昭和59年(わ)343号 判決

本籍

大阪府泉南郡阪南町桑畑一六三番地

住居

大阪市天王寺区真法院町一九番七号

会社役員

中谷義雄

大正九年八月一六日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官宇田川力雄出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年二月及び罰金二八〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪市天王寺区法院町一九番七号において、中谷フェルトの名称で音響機器用フェルト部品の製造加工業を営んでいたものであるが、架空仕入れを計上するなどの方法により所得の一部を秘匿したうえ、

第一  昭和五五年分の所得金額が五五二一万九五〇一円であつたのにかかわらず、昭和五六年三月一三日、大阪市天王寺区堂ヶ芝二丁目一一番二五号所在の所轄天王寺税務署において、同税務署長に対し、昭和五五年分の所得金額が一二四一万六四五〇円で、これに対する所得税額が五五三万一七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書(みなし法人課税を選択したもの)を提出し、もって不正の行為により同年分の正規の所得税額二七五七万七〇〇〇円と右申告税額との差額二二〇四万五三〇〇円を免れ

第二  昭和五六年分の所得金額が九六〇一万一二〇七円であったのにかかわらず、昭和五七年三月一一日、前記税務署において、同税務署長に対し、昭和五六年分の所得金額が一八九一万二七五〇円で、これに対する所得税額が七七九万七九〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書(みなし法人課税を選択したもの)を提出し、もって不正の行為により同年分の正規の所得税額五四七七万六七〇〇円と右申告税額との差額四六九七万八八〇〇円を免れ

第三  昭和五七年分の所得金額が一億〇二四七万三一八〇円であったのにかかわらず、昭和五八年三月一四日、前記税務署において、同税務署長に対し、昭和五七年分の所得金額が二五一九万八一四〇円で、これに対する所得税額が一四七八万七二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書(みなし法人課税を選択したもの)を提出し、もって不正の行為により同年分の正規の所得税額五九四一万三三〇〇円と右申告税額との差額四四六二万六一〇〇円を免れ

たものである。

(右認定の各年分の実際の所得金額の内容は、別紙(一)ないし(三)の各総所得金額計算書及び修正損益計算書のとおりであり、同正規の所得税額は、別紙(四)の税額計算書のとおりである。)

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  被告人に対する収税官吏の各質問てん末書

一  中谷興志子、土井利文、田中勉、藤岡成清及び安永智江の検察官に対する各供述調書

一  中谷興志子(二通)、土井利文、田中勉、尾上竜三、藤原義博、谷寿美子及び栃尾義信に対する収税官吏の各質問てん末書

一  収税官吏作成の各査察官調書

一  尾上竜三及び藤原義博作成の各確認書

一  天王寺税務署長作成の証明書(所得税確定申告書写し添付のもの)三通

一  天王寺税務署長作成の証明書(青色申告承認取消しに関するもの)

一  収税官吏作成の脱税額計算書三通

(法令の適用)

被告人の判示第一の所為は、行為時においては、昭和五六年法律第五四号による改正前の所得税法二三八条一項に、裁判時においては、右改正後の所得税法二三八条一項に該当するが、右は犯罪後の法令により刑の変更があったときにあたるから、刑法六条、一〇条により軽い行為時法の刑によることとし、判示第二及び第三の各所為は、いずれも所得税法二三八条一項に該当するところ、右各罪につきいずれも所定の懲役と罰金を併科し、かつ、情状により所得税法二三八条二項を適用し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同法四七条本文、一〇条により刑及び犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑については同法四八条二項により罰金額を合算し、その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役一年二月及び罰金二八〇〇万円に処し、同法一八条により右罰金を完納することができないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとし、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 野間洋之助)

別紙(一) 総所得金額計算書

自 昭和55年1月1日

至 昭和55年12月31日

〈省略〉

修正損益計算書

自 昭和55年1月1日

至 昭和55年3月31日

〈省略〉

別紙(二) 総所得金額計算書

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

修正損益計算書

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

別紙(三) 総所得金額計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

〈省略〉

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

〈省略〉

別紙(四) 税額計算書

〈省略〉

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