大判例

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大阪家庭裁判所 昭和52年(家)2136号 審判

申立人 松田久美子(仮名)

主文

本件申立を却下する。

理由

1  申立人はもと松田正志と夫の氏を称して婚姻していたものであるが、昭和五一年一二月二一日同人と協議離婚し、その際戸籍法第七七条の二の届出をなして婚姻中の氏である「松田」の氏を離婚後も称することとしたものである。本件申立は、この「松田」の氏を申立人の婚姻前の旧姓である「中山」に変更しようとするものであるが、その変更しようとする理由は、申立人が上記のように離婚後も「松田」の氏を称することにしたのは、離婚後子供を自分のもとに引取るつもりで、その場合子供が「松田」のまま氏を変えないですむように自分の氏もそれに合わせておくために「松田」の氏を続けることにしたものであるところ、その後子供を引取ることができなくなり、「松田」の氏を続ける意味がなくなつたので、もとの婚姻前の旧姓に復することにしたい、というものである。

2  しかし、離婚の際一旦戸籍法第七七条の二の届出をなして離婚後も婚姻中の氏を称することにした以上、その後更にもとの旧姓に復することが当然に許されるものではなく、やはり戸籍法第一〇七条所定の事由がなければならないのであり、申立人の場合にはまだその理由があるとはいえないので本件申立は不相当である。よつてこれを却下することとし、主文のとおり審判する。

(家事審判官 高橋史朗)

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