大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

大阪高等裁判所 平成9年(く)122号 決定

主文

本件即時抗告を棄却する。

理由

本件即時抗告の趣意は、申立人作成の即時抗告申立書に記載のとおりであるが、要するに、原裁判所は申立人の裁判の執行に関する異議申立を不適法であるとして却下したが、原決定には判例や法令の解釈を誤った違法があるので、これを取消した上、「大阪高等検察庁検察官事務取扱検察事務官Aのなした罰金八〇〇〇円のうち第二回分納二〇〇〇円の納付期限を平成九年四月二八日とする処分を取消す。検察官は第二回分納期限を本件申立が確定した後速やかに指定せよ。検察官は第二回分納につき国庫金納付書を送付せよ。」との決定を求める、というのである。

調査するに、記録によれば、次の事実が認められる。

<1>申立人に対する道路交通法違反被告事件につき罰金八〇〇〇円に処する判決が平成九年二月一六日確定し、申立人に罰金八〇〇〇円の納付義務あることが確定したのに伴い、同年三月一一日、大阪高等検察庁検務第二課徴収係においては、同月一八日を納付期限とする納付告知書(甲)を申立人に郵送した。<2>その後、ファクシミリによる連絡が交わされるなどしたのち、申立人から貧困を理由に右罰金の分納を願い出る書面などが送付され、同月三一日、六〇〇〇円の分納が許可されたので、右係から申立人にこれを伝えた。その際申立人は、残りの罰金二〇〇〇円につき同年四月二八日に必ず納付する旨確約したので、同係検察事務官は同日を納付期限とする督促状(甲)を、同月一日申立人に郵送した。<3>しかし、申立人は、同月二八日本件異議申立をして、右納付をしなかったので、同年五月一日、右係では、再び納付期限を同月一二日とする督促状(甲)を郵送したが、依然申立人は右督促にかかる罰金の残り二〇〇〇円を納付していない。なお、本件につき検察官作成の徴収命令書が発出された事実はない。

そこで、先ず、納付期限の取消を求める申立について検討するに、前記の納付告知及び督促は、検察官が罰金の納付義務者に対し、裁判確定により既に履行期が到来している徴収金の任意の支払いを催告するに過ぎないものであって、その期日を四月二八日とする旨の告知は、刑訴法五〇二条の「裁判の執行に関し検察官のした処分」には含まれないから、右告知を法所定の処分であることを前提とする所論は失当である。

次に、第二回分納期限の指定及び第二回分納につき国庫納付書の送付を求める申立についても、右と同様刑訴法五〇二条の異議申立の対象とならないから、失当である。

従って、これと同旨の原決定に違法のかどはなく、論旨は理由がない。

よって、刑事訴訟法四二六条一項により、本件即時抗告を棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 田崎文夫 裁判官 久米喜三郎 裁判官 毛利晴光)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com