大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)1154号 判決

被告人

宮本正夫

同致鎬又は金順鎬こと

金致鎬

外二名

主文

本件各控訴を棄却する。

当審の訴訟費用は被告人等の負担とする。

理由

久保寺弁護人の論旨第一点(イ)について。

論旨は、被告人李上郡は、普通客用自動車の運転手であつて、荷物を携帯した客をのせて、その指示する場所まで運転したにすぎないので、荷物の占有は依然として乗客にあるから、賍物運搬罪は成立しないと主張する、しかし、賍物運搬罪は賍物たるの情を知りながら、之を運搬した場合に成立するのであるから、占有移転の有無はその成否に関係はないものと解する。それゆえに本件のように被告人が乗用自動車の運転手である場合にも、乗客が荷物を携帯することとその荷物が賍物であることを知つて、その指示する地点まで運転した以上賍物運搬罪が成立するのである。しかも本件事実は原判決挙示の証拠にもあらわれているように、被告人は相手方の依頼に応じ、一応その個数の多いことを理由にことわりながら、二十個の荷物を客席に積みこましめ、客を助手席にのせて運転し、指示する場所で積下しを手伝つたと云うのであるから、その主たる目的は荷物の運搬にあつたと認められるのである。論旨は理由がない。

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