大判例

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大阪高等裁判所 昭和33年(ネ)261号 判決

控訴人 中川喜三

補助参加人 安宅産業株式会社

被控訴人 谷本鉄一

主文

補助参加人の控訴を却下する。

控訴費用は補助参加人の負担とする。

理由

記録によると、本件控訴は、大阪地方裁判所が昭和三三年二月一七日言い渡した原審被告中川喜三敗訴の判決に対し、原審における右被告の補助参加人安宅産業株式会社が独立して申し立てたものであることが明らかである。そこで右控訴の適否につき考えるに、原審における被告の補助参加人である安宅産業株式会社は、被告敗訴の原判決に対し、独立して控訴の申立をすることができることは、民訴法第六九条の規定するところであるが、補助参加人は、補助参加の性質上被参加人(被告)のために定められた控訴申立期間内にかぎつて、控訴の申立をすることができるものといわなければならない(最高裁判所昭和二四年(オ)第三二一号第三四二号同二五年九月八日判決民集四巻九号三五九頁参照)。しかるに記録によると、原裁判所は、昭和三三年一月一七日原審被告中川喜三に対する送達は公示送達によりする旨の決定をし、これに基き同日同被告に対する同年二月三日午前一〇時の口頭弁論期日の呼出は、公示送達の方法でなされ、原裁判所は、右期日に被告不出頭のまま弁論を終結し、判決言渡期日を同月一七日と指定し、右判決言渡期日に被告敗訴の判決を言い渡し、被告に対する右判決正本の送達は、同日公示送達のため判決正本を原裁判所書記官室において保管し、何時でも送達を受くべき者に交付すべき旨を原裁判所の掲示場に掲示する方法によりなされたことが明らかである。従つて、右被告に対する右判決正本の送達は、第二回目の公示送達によりなされたのであるから、民訴法第一八〇条第一項但し書第一七八条第三項の規定により、右掲示を始めた日の翌日においてその効力を生ずるのである。そして、民訴法第一八〇条第一項但し書にいわゆる「第百七十八条第三項ノ公示送達ハ掲示ヲ始メ又ハ貼附ヲ為シタル日ノ翌日ニ於テ其ノ効力ヲ生ス」とは、掲示又は貼附をした日の翌日の午前零時にその効力を生ずるものと解すべきであるから、民訴法第一五六条第一項民法第一四〇条但し書により期間の計算においては、初日をも算入すべきである(昭和一九年一月二六日法曹会決議参照)。そうすると、原判決に対する原審被告中川喜三の控訴期間は、前記掲示がなされた日の翌日である昭和三三年二月一八日から進行し、同年三月三日の終了により満了するものといわなければならない。しかるに補助参加人の提出した控訴状に押された当裁判所の受付印によると、補助参加人は、同年三月四日本件控訴の申立をしたことが明らかであるから、右控訴の申立は、控訴人(原審被告)のために定められた控訴期間経過後になされた不適法なものであり、その欠缺は補正することのできないものであるから、不適法としてこれを却下すべきものとする。

よつて、控訴費用の負担につき民訴法第九五条第九四条後段第八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 熊野啓五郎 岡野幸之助 山内敏彦)

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