大判例

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大阪高等裁判所 昭和34年(く)41号 決定

少年 G(昭二〇・六・二五生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の要旨は、本少年の非行事実は外二名と共犯の三人組の事件であるが、本少年以外の共犯者は二名とも現に家庭にあり、本少年のみが収容され泣暮している。このような不公平な裁きは本人にひがみと反抗心を起こさせ、却つて将来に悪影響があるものと思料せられるので本件抗告に及んだものであると言うのである。

よつて記録を精査し案ずるに、本件非行事実は所論のとおり本少年外二名の共犯による窃盗事件である。しかし非行者に対する処遇は非行事実が共犯でも、必ずしも同一とは限らず、各自の事情に徴し、それに適応した処置が講ぜられるのは当然である。ところで本少年の事情を勘案するのに、原決定にもあるとおり少年の家庭は母親なき多子家庭で、父親にしても保護能力に劣り、従来の非行に際しての学校及び児童相談所の配慮に対し、何ら適切な処置を講じていない。一方少年自身も近隣の不良との交際が急速に進展し、学校の内外において非行続発し、怠学、家出、野宿等を繰返し担任教師及び保護者の注意をきかないのである。なお近隣の悪環境も考慮するときは少年に対する原決定の処置は已むを得ないところである。従つて本抗告は理由がない。

よつて少年法第三三条第一項、少年審判規則第五〇条により主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 山本武 裁判官 三木良雄 裁判官 古川実)

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