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山口地方裁判所 昭和62年(わ)146号 判決

本店所在地

山口県豊浦郡豊浦町大字川棚長谷四、九九七番地の二

法人の名称

有限会社レストパークとようら

代表者の住居

山口県下関市綾羅木本町一丁目一二番五号

代表者氏名

金子音一こと 金玉烈

国籍

韓国慶尚南道泗川郡泗川面琴谷里

住居

山口県下関市綾羅木本町一丁目一二番五号

会社役員、パチンコ店経営

金子音一こと金玉烈

右両名に対する法人税法違反、金玉烈に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官酒井徳矢出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

1  被告人有限会社レストパークとようらを罰金七〇〇万円に処する。

2  被告人金玉烈を懲役一年二月及び罰金二、〇〇〇万円に処する。

3  被告人金玉烈において右罰金を完納しえないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

4  この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

第一  被告会社有限会社レストパークとようらは、山口県豊浦郡豊浦町大字川棚長谷四、九九七番地の二に本店を置き、パチンコ遊技業、旅館業等の事業を営むもの、被告人金子音一こと金玉烈は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、同被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、昭和六〇年四月一日から同六一年三月三一日までの事業年度における所得金額が五、九五七万二、五九四円で、これに対する法人税額が二、四八〇万八、七〇〇円であったにもかかわらず、売上の一部を除外したり架空の支払手数料を計上するなどして所得を秘匿した上、同年五月三〇日山口県下関市山の口町一番一八号所在の所轄下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額及びこれに対する法人税額が〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額二、四八〇万八、七〇〇円を免れ

第二  被告人金子音一こと金玉烈は、同市綾羅木本町二丁目六番二五号等において、なにわホール等の名称でパチンコ遊技業を営むものであるが、所得税を免れようと企て

一  昭和五七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における所得金額が三、九一六万八、九四七円で、これに対する所得税額が一、七一八万七、四〇〇円であったにもかかわらず、売上の一部を除外したり架空の支払手数料を計上しさらに仮名定期預金等の設定や債券の購入などの行為により所得を秘匿した上、同五八年三月一五日前記下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九四三万九三七円で、これに対する所得税額が一九七万一、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の所得税額一、五二一万六、二〇〇円を免れ

二  同五八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における所得金額が七、七三八万七、六九三円で、これに対する所得税額が四、二九九万九、一〇〇円であったにもかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿した上、同五九年三月一五日前記下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、一四五万八、七五二円で、これに対する所得税額が二六〇万四、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の所得税額四、〇三九万四、五〇〇円を免れ

三  同五九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における所得金額が三、〇四七万七、八二五円で、これに対する所得税額が一、一七六万八、七〇〇円であったにもかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿した上、同六〇年三月一五日前記下関税務署において、同税務署長に対し、欠損金額が七六九万六、八七三円で、これに対する還付税額が二四万三、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税損失申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の所得税額一、一七六万八、七〇〇円と右還付税額との合計額一、二〇一万一、七〇〇円を免れ

四  同六〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における所得金額が三、九五〇万四、八五七円で、これに対する所得税額が一、七三九万五、一〇〇円であったにもかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿した上、同六一年三月一三日前記下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八四九万五、四四八円で、これに対する所得税額が一三二万三、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の所得税額一、六〇七万二、一〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人金子音一こと金玉烈の

(一)  当公判廷における供述

(二)  検察官に対する供述調書

(三)  大蔵事務官に対する質問てん末書(一四通)

一  大蔵事務官辻徳雄同三見正信同森憲一各作成の各差押てん末書

一  大蔵事務官前正博同森憲一各作成の各領置てん末書

判示第一の事実につき

一  西嶋直人、福田ミチ子、鮓本清美の検察官に対する各供述調書

一  西嶋直人(二通)、福田ミチ子(三通)、鮓本清美、元廣貢、大野信乃代の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官の

(一)  藤野博史作成の売上高調査書、支払手数料調査書、申告欠損金調査書、欠損金の当期控除額調査書

(二)  小野展彦作品の事務員給与・雑給調査書、修繕費調査書、雑費調査書、雑収入調査書、有限会社レストパークとようらの雑収入、有限会社レストパークとようらの事業税認定損、その他所得調査書、脱税額計算書(60・4・1~61・3・31)

(三)  伊藤喜之作成の備品消耗品費調査書、写真撮影てん末書

一  下関税務署長下江正敏作成の法人税決議書(脚本)法人税額等の更正通知書及び加算税の賦課決定通知書(脚本)

一  押収してある総勘定元帳(59・4・1~60・3・31)一綴(昭和六二年押第七三号符2)総勘定元帳(60・4・1~61・3・31)一綴(同押号符3)パチンコ国際会館売上帳(59・4~61・3)一冊(同押号符4)景品日報一箱(同押号符5)「電話帳」と記載のあるノート一冊(同押号符6)売上メモ二枚(同押号符7)売上メモ一綴(同押号符8)打出しテープ二枚(同押号符9)日計表(湯の里)一箱(同押号符10)現金出納帳一綴(同押号符11)領収証綴五冊(同押号符12)給料台帳一綴(同押号符13)源泉徴収簿一綴(同押号符14)給料袋一束(同押号符15)給料袋一袋(同押号符16)国際会館給料支払帳一冊(同押号符17)領収証等入袋一袋(同押号符18)総勘定元帳(58・4・1~59・3)一綴(同押号符19)テレビ集金メモ一束(同押号符20)

一  大蔵事務官益池勝作成の差押てん末書

一  大蔵事務官益池勝同中野紀従各作成の各領置てん末書

一  登記官金子昭典作成の登記簿(謄本)

判示第二の全事実につき

一  乙部正美(三通)、角田励(二通)、安棟常雄(二通)、久村洋二、姜繁(二通)、宮原富佐枝、金田サエ子、木村彰根、高杉博補、稲田昭子、石津勝俊、木本信昭、澄川一夫、松倉守、津江政孝、富田重與、笹尾初枝、浜田憲一、高田悟、広瀬幸雄、十河敏樹、上野真義、梅本暢子、安楽俊二、百々路秀夫の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官の

(一)  小野展彦作成の現金調査書、当座預金調査書、定期預金・その他の預金調査書、郵便貯金調査書、債券調査書、前受金・預り金調査書、事業主貸調査書、事業主借調査書、(有)レストパークとようら勘定調査書、青色申告控除額調査書、その他所得調査書、繰越欠損控除調査書、調査事績報告書(二通)

(二)  伊藤喜之作成の有価証券調査書、金地金調査書、土地調査書、建物調査書、建物附属設備調査書、構築物調査書、機械装置調査書、電話加入権調査書、貸付金調査書、支払手形調査書、借入金調査書、買掛金調査書、未払金調査書、白色事業専従者控除調査書、みなす犯則損金調査書、元入金調査書、利子所得調査書、雑所得調査書、申告欠損金調査書、不動産所得調査書

(三)  藤野博史作成の調査事績報告書

一  坂井敏勝(二通)、井上誠一、戸村英則、近野健、小田隆、今成明、南田薫、牛込治良、安成信長、角田励、乙部正美(三通)、河崎嘉毅、金本修明、稗田猛馬、澄川一夫、高峰健治、成瀬昭登、津江政孝、富田重與、藤津忠士、笹尾初枝、浜田憲一、高田悟、山川亮一、岩崎治、芝三吉、弘中誠、下江正敏各作成の各証明書

一  下関貯金事務センター所長、中島健吉、金沢要求、藤原忞、里見治、小林信樹、茂田栄一、原田彰、奥村昌美、小池亮作、岩佐勝正、山崎茂敏(三通)、土田辰三、山脇義宏、岩田整、梶村元則、木村有利、飴野忠雄、福田隆司、佐野訓正、泉田芳次、大野修一各作成の回答書

一  大蔵事務官辻徳雄作成の臨検捜索てん末書

一  大蔵事務官岸努作成の差押てん末書

一  大蔵事務官田原郁夫同宇野公才同藤野博史同寺川満人同小野辰彦各作成の領置てん末書

一  押収してある所得税確定申告書等一綴(昭和六二年押第七三号符1)青色申告決算書一綴(同押号符21)過去の預金明細書等入袋二袋(同押号符22)定額郵便貯金等支払金内訳書四枚(同押号符23)権利証等入袋一袋(同押号符24)工事請負契約書一綴(同押号符25)見積書綴一綴(同押号符26)工事収入の内訳三枚(同押号符27)昭和五七年度年間集計表等一綴(同押号符28)パチンコ支払帳五冊(同押号符29、31、34、37、38)約束手形一冊(同押号符30)約束手形(控)一束(同押号符32)支払帳一冊(同押号符33)昭和六〇年分振替伝票等二綴(同押号符35)昭和六〇年分試算表等入袋一袋(同押号符36)喫茶支払帳一冊(同押号符39)領収証綴三綴(同押号符40)領収証等綴入袋一袋(同押号符41)総勘定元帳四綴(同押号符42、43、50、54)源泉徴収簿入袋二袋(同押号符44、45)現金出納帳一綴(同押号符46)パチンコ綾羅木店売上帳二冊(同押号符47、48)建築確認通知書一冊(同押号符49)領収証控一冊(同押号符51)請求書控一冊(同押号符52)不動産売買契約書等入袋一袋(同押号符53)社会保険会報綴等四綴(同押号符55)給料台帳一綴(同押号符56)メモ写し二枚(同押号符57)

判示第二の一の事実につき

一  大蔵事務官小野展彦作成の脱税額計算書(五七年度)

一  昭和五七年分所得税の更正及び加算税の賦課決定決議書謄本

判示第二の二の事実につき

一  大蔵事務官小野展彦作成の脱税額計算書(五八年度)

一  昭和五八年分所得税の更正及び加算税の賦課決定決議書謄本

判示第二の三の事実につき

一  大蔵事務官小野展彦作成の脱税額計算書(五九年度)

一  昭和五九年分所得税の更正及び加算税の賦課決定決議書謄本

判示第二の四の事実につき

一  大蔵事務官小野展彦作成の脱税額計算書(六〇年度)

一  昭和六〇年分所得税の更正及び加算税の賦課決定決議書謄本

(法令の適用)

一  被告人会社につき

判示第一の所為につき 法人税法一五九条一、二項、一六四条一項、七四条一項二号

二  被告人金玉烈につき

1  判示第一の所為につき 法人税法一五九条一項、七四条一項二号(懲役刑選択)

2  判示第二の各所為につき所得税法二三八条(懲役刑と罰金刑を併科)

(一) 併合加重、懲役刑につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情最重の判示第二の二の罪の刑に法定の加重)

罰金刑につき刑法四五条前段、四八条二項

(二) 労役場留置、罰金刑につき刑法一八条

(三) 執行猶予 懲役刑につき刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 中根與志博)

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