大判例

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山形地方裁判所 昭和54年(わ)21号 判決

本籍

山形県酒田市中央西町一四三番地の一五

住所

山形県酒田市中央西町一番二〇号

歯科医師

菅原佑典

昭和八年八月二五日生

主文

被告人を懲役六月及び罰金六〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、山形県酒田市中央西町一番二〇号に菅原歯科医院分院の名称で診療所を設け、歯科医療を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、実際の自由診療収入の大部分及び保険料診療収入の一部分を除外し、更に架空仕入、架空給料等架空経費の計上をするなどの不正手段によって所得を秘匿したうえ

第一  昭和五〇年分の総所得金額が三八、〇二六、七四七円であって、これに対する所得税額は一五、一六九、一〇〇円であるのに、昭和五一年三月一五日、同県同市光ケ丘二丁目二番三六号所在の所轄酒田税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一八、八五四、六六五円で、これに対する所得税額が四、四一九、九〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により所得税一〇、七四九、二〇〇円をほ脱し、

第二  昭和五一年分の総所得金額が四五、四二九、六四一円であって、これに対する所得税額は一九、五〇七、三〇〇円であるのに、昭和五二年三月一四日、前記酒田税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が二九、七〇六、四三一円で、これに対する所得税額が一〇、一〇四、七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により所得税九、四〇二、六〇〇円をほ脱し、

第三  昭和五二年分の総所得金額が四四、一四八、三〇三円であって、これに対する所得税額は一八、二七二、九〇〇円であるのに、昭和五三年三月一五日、前記酒田税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が三〇、六九五、二二八円で、これに対する所得税額が一〇、二八〇、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により所得税七、九九二、四〇〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書一六通

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  被告人提出の上申書七通(昭和五三年一一月八日付=二通、同月一日付、同月五日付=四通)

一  菅原わか子の大蔵事務官に対する質問てん末書四通

一  菅原わか子の検察官に対する供述調書

一  斎藤茂久、富樫悌治(二通)、菅原順の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  斎藤茂久外一名共同作成の上申書

一  阿部せつ、富樫悌治、谷本博(二通)、丹野健提出ないし作成にかかる各上申書

一  検察事務官作成の報告書

一  六本木茂、板垣清一郎、本間清什、谷口昇、庄司興作、畑尻保、吉村敏夫、津田俊雄提出ないし作成に係る各支払報酬照会に対する各回答書

一  大蔵事務官渡辺正雄作成の未収金、買掛金等残高調査書、建物等償却資産残高調査書、預金、株式等残高調査書

一  大蔵事務官加藤郁夫作成の事業主(店主)勘定表調査書、各年別期末たな卸高調査書、歯科材料貴金属仕入数量調査書、除却損及び譲渡損に関する調査書、脱税額計算書説明資料

一  東北郵政局貯金部長作成の郵便貯金の預入・払戻状況についての回答書

一  丹野健作成の証明書

一  押収してある支出簿一冊(昭和五四年押第二七号の一〇)、証券情報一冊(同押号の一一)、ノート四冊(同押号の二四ないし二七)、昭和五一年一般カルテ一五枚(但し、封筒入りのもの=同押号の二八)、昭和五一年一般カルテ三九枚(但し、封筒入りのもの=同押号の二九)、一般カルテ一〇七枚(同押号の三〇)同九四枚(同押号の三一)、同六二枚(同押号の三二)、同三二枚(同押号の三三)、同一七三枚(同押号の三四)、同二六五枚(同押号の三五)、封筒一枚(但し、「50年一般カルテ」と題し、計算書きの記載のあるもの=同押号の三六)、日計地の月別集計表三綴(同押号の三七ないし三九)、期末たな卸明細表一綴(同押号の四〇)、ノート六冊(同押号の四一)、同一冊(同押号の四二)、同一冊(同押号の四三)、同三冊(但し、一綴のもの=同押号の四四)、同一冊(同押号の四五)

判示第一、第二の事実につき

一  押収してある期末たな卸表一冊(同押号の一八)

判示第二、第三の事実につき

一  押収してある支出簿一冊(同押号の五)

判示第一の事実につき

一  被告人提出の昭和五三年一一月七日付上申書(但し、判示第一の事実に沿うもの) 一 被告人作成の昭和五〇年分の所得税の修正申告書謄本

一  押収してあるメモ一枚(但し、五〇年度一般収入と題するもの=同押号の一)、支出簿一冊(同押号の九)患者名簿二綴(同押号の一二、一三)、昭和五〇年分日計表一〇冊(同押号の一九)、所得税確定申告書一綴(但し、昭和五〇年分=同押号の四六)、所得税修正申告書一綴(但し、昭和五〇年分=同押号の四九)、所得税青色申告決算書一綴(但し、昭和五〇年分=同押号の五〇)

判示第二の事実につき

一  被告人提出の昭和五三年一一月七日付上申書(但し、判示第二の事実に沿うもの)

一  被告人作成の昭和五一年分の所得税の修正申告書謄本

一  押収してあるメモ四枚(但し、昭和五一年度の収入に関するもので、一綴のもの=同押号の二)、支出簿一冊(同押号の四)、患者名簿二綴(同押号の一四、一五)、昭和五一年分日計表一二冊(同押号の二〇)、昭和五一年一〇月分日計表一冊(同押号の二一)、昭和五一年一一月分日計表一冊(同押号の二二)、所得税確定申告書一綴(但し、昭和五一年分=同押号の四七)、所得税青色申告決算書一綴(但し、昭和五一年分=同押号の五一)

判示第三の事実につき

一  被告人提出の昭和五三年一一月七日付上申書(但し、判示第三の事実に沿うもの)

一  被告人作成の昭和五二年分の所得税の修正申告書謄本

一  押収してあるメモ三枚(但し、昭和五二年度の収入に関するもので、一綴のもの=同押号の三)、支出簿三冊(同押号の六ないし八)、患者名簿二綴(同押号の一六、一七)、昭和五二年一二月分日計表一冊(同押号の二三)、所得税確定申告書一綴(但し、昭和五二年分=同押号の四八)、所得税青色申告決算書一綴(但し、昭和五二年分=同押号の五二)

(法令の適用)

1  罰条 いずれも所得税法二三八条一項、一二〇条一項三号に該当。

2  刑の併科 いずれも所定刑中懲役刑と罰金刑とを併科する。

3  併合罪加重 判示第一ないし第三は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については、同法四七条本文、一〇条により最も犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑については、同法四八条二項により所定の各罰金額を合算する。

4  宣告刑 懲役六月及び罰金六〇〇万円

5  労役場留置 刑法一八条により右の罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

6  懲役刑執行猶予 刑法二五条一項を適用して、この裁判の確定した日から二年間、右の懲役刑の執行を猶予する。

検察官田子忠雄出席(求刑懲役六月及び罰金八〇〇万円)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 濱野惺)

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