大判例

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岐阜家庭裁判所 昭和39年(少イ)6号 判決

被告人 日本精機株式会社

代表取締役小野茂

小野茂

大洞信夫

主文

被告人日本精機株式会社、同小野茂をそれぞれ罰金三万円に、

被告人大洞信夫を罰金二万円に

処する。

被告人小野茂、同大洞信夫において右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人会社は、岐阜市本荘二九五四番地に本店及び工場を置き労働者約六八名を使用して紡織機用の部品製造販売業を営むもの、被告人小野茂は同会社の代表取締役として会社の経営一切の業務を統轄しているもの、被告人大洞信夫は同会社の工場長兼製造部長として同社の労務管理を含む生産管理等を担当しているものであるが、被告人小野茂、同大洞信夫は共謀の上、何等法定の除外事由がないのにも拘らず、被告人会社の業務に関し、別紙犯罪事実一覧表のとおり、昭和三九年七月二〇日より同年八月一四日までの間、前後一二九回にわたり、右工場において、年少労働者○辺○春(当一五歳)外九名に対し一日八時間の実労働時間を超えて、延一八二時間五〇分の時間外労働をさせたものである。

(証拠の標目)

右の事実は、

一、○辺○春、○田○夫、○枝○美、○野○三、川○真、○田○男、○崎○志、○藤○美、入○勝、○本○二、○山○子の司法警察員に対する各供述調書、

一、○辺○春、○田○夫、○枝○美、○野○三、川○真、○田○男、○崎○志、○藤○美、入○勝、○本○二に対する各身上調査照会書の回答、

一、司法警察員作成の捜索差押調書及び各領置調書、

一、被告人小野茂、同大洞信夫の司法警察員に対する各供述調書、

一、被告人小野茂、同大洞信夫の検察官に対する各供述調書、

一、被告人小野茂、同大洞信夫の当公判廷における供述

によつてこれを認める。

(法令の適用)

法律によると、被告人日本精機株式会社の判示事実は、労働基準法第一一九条第一号、第六〇条第三項、第一二一条第一項に、被告人小野茂、同大洞信夫の判示事実は、同法第一一九条第一号、第六〇条第三項、刑法第六〇条に各該当するところ、右は違反一日を単位として一罪が成立し、且つ各労働者個人別にそれぞれ独立して犯罪が成立すると認められるから、以上いずれもその所定刑中各罰金刑を選択し、以上は刑法第四五条前段所定の併合罪であるから、同法四八条第二項に従い、各罪について定めた罰金の合算額の範囲内において被告人日本精機株式会社、同小野茂をそれぞれ罰金三万円に、被告人大洞信夫を罰金二万円に処し、刑法第一八条に則り、被告人小野茂、同大洞信夫において右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置することとして主文のとおり判決する。

(裁判官 天野正義)

別紙

犯罪事実一覧表

番号

被害労働者氏名

(年齢)

犯行年月日

始業時刻

終業時刻

休憩時間

一日の実労働時間

時間短縮の措置をせず、一日八時間を超えるもの

○辺○春(一五歳)

昭和年月日

三九・七・二〇

午前時分

八・〇〇

午後時分

六・〇〇

時間 分

一・〇〇

時間 分

九・〇〇

時間 分

一・〇〇

〃〃二一

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃二四

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃二七

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃二九

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃三〇

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃八・五

八・〇〇

七・〇〇

一・〇〇

一〇・〇〇

二・〇〇

〃〃七

八・〇〇

六・〇〇

一・〇〇

九・〇〇

一・〇〇

〃〃一一

八・〇〇

五・一五

一・〇〇

八・一五

一五

一〇

〃〃一三

八・〇〇

七・〇〇

一・〇〇

一〇・〇〇

二・〇〇

一一~一二九

(編注・省略)

合計

一八二時間五〇

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