大判例

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広島地方裁判所 昭和62年(わ)807号 判決

本籍

広島県尾道市高須町八七九番地

住居

右同

家具製造販売業

橋本吉太郎

大正四年一一月一三日生

本籍

広島県尾道市高須町八七九番地

住居

右同

家具製造販売業従業員

橋本トシコ

大正一二年六月一〇日生

右被告人両名に対する各所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官徳田薫出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人橋本吉太郎を罰金一七〇〇万円に、被告人橋本トシコを懲役一年四月に処する。

被告人橋本吉太郎が右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

被告人橋本トシコに対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、その二分の一づつを各被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人橋本吉太郎は、広島県尾道市高須町八七九番地において、橋本家具工芸の名称で家具製造販売業を営むもの、被告人橋本トシコは、右橋本家具工芸の経理全般を被告人橋本吉太郎からゆだねられた同人の従業者であるが、被告人橋本トシコは、被告人橋本吉太郎の業務に関し、同人の所得税を免れようと企て

第一  昭和五八年分の実際の所得金額は六四六六万一四七四円で、これに対する所得税額は三三三七万二八〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を除外し、債券を購入するなどの方法により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五九年三月一五日、同市古浜町二七番一八号所在の尾道税務署において、同税務署長に対し、昭和五八年分の所得金額は一二〇四万七五六八円で、これに対する所得税額は二四二万二二〇〇円である旨の虚偽の所得税の確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税三〇九五万六〇〇円を免れ

第二  昭和五九年分の実際の所得金額は七〇四八万六九一二円で、これに対する所得税額は三六一七万八〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の方法により、右所得を秘匿したうえ、昭和六〇年三月一五日、前記尾道税務署において、同税務署長に対し、昭和五九年分の所得金額は一四六四万二五六円で、これに対する所得税額は三二五万二八〇〇円である旨の虚偽の所得税の確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税三二九二万五二〇〇円を免れ

第三  昭和六〇年分の実際の所得金額は五五二一万八六三一円で、これに対する所得税額は二五四七万三一〇〇円であるのにかかわらず、前同様の方法により、右所得を秘匿したうえ、昭和六一年三月一四日、前記尾道税務署において、同税務署長に対し、昭和六〇年分の所得金額は一一四四万二〇六七円で、これに対する所得税額は二〇一万七九〇〇円である旨の虚偽の所得税の確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税二三四五万五二〇〇円を免れ

たものである(なお、税額の計算は別紙のとおり)。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人両名の当公判廷における各供述

一  被告人橋本トシコの検察官に対する供述調書(二通)及び大蔵事務官に対する質問てん末書(九通)

一  被告人橋本吉太郎の検察官に対する供述調書及び大蔵事務官に対する質問てん末書(三通)

一  橋本賢二(八通)、村上俊晴(三通)、橋本益広(二通)、大西ナガ子(三通)、八幡洋明(二通)、大西逸夫、江原章太(二通)、奥田泰造(二通)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の写真撮影てん末書(二通)、売上高調査書、仕入高調査書、期首商品たな卸高調査書、期末商品たな卸高調査書、経費調査書、給料賃金調査書、減価償却費調査書、貸倒引当金繰入額調査書、青色事業専従者給与額調査書、貸倒引当金繰戻額調査書、青色申告控除額調査書、白色事業専従者控除調査書、利子所得調査書、雑所得調査書、利子所得に対する源泉徴収税額調査書

一  押収してある青色申告決算書(昭和六二年押第一七二号の1)、所得税確定申告書(同号の2)

(法令の適用)

一  罰条

判示各所為 被告人両名につきいずれも所得税法二三八条一項

被告人橋本吉太郎につき更に同法二四四条一項、二三八条二項

二  刑種の選択

被告人橋本トシコにつき懲役刑選択

三  併合罪の処理

刑法四五条前段

被告人橋本トシコにつき同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重

被告人橋本吉太郎につき同法四八条二項

四  労役場留置

被告人橋本吉太郎につき同法一八条

五  刑の執行猶予

同法二五条一項

六  訴訟費用の負担

刑事訴訟法一八一条一項本文

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 田川直之)

〈省略〉

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