大判例

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最高裁判所第一小法廷 平成5年(あ)465号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中四九〇日を本刑に算入する。

理由

弁護人渡辺又喜の上告趣意は、単なる法令違反、量刑不当の主張であり、被告人本人の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

所論にかんがみ、職権により判断する。

原判決の認定するところによれば、被告人は、Eらが日本国外から日本国内に覚せい剤を輸入し、覚せい剤取締法違反、関税法違反の各罪を犯した際、Tとともに、日本国外で覚せい剤を調達してEに手渡し、同人らの右各犯行を容易にしてこれを幇助したというのである。右のように、日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法一条一項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たると解すべきであるから、同法八条、一条一項により、被告人の前記各幇助行為につき原判示の各刑罰法規を適用した原判決は、正当である。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項ただし書、刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 大堀誠一 裁判官 小野幹雄 裁判官 三好達 裁判官 大白勝 裁判官 高橋久子)

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