大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)4005号 判決

主文

第二審判決中被告人に関する部分を破棄する。

第一審判決の判示第四の昭和二二年政令一六五号違反の罪につき被告人を免訴する。

被告人を懲役一〇月に処する。

第一審における証人永谷喜作、同竹田徳則、同中島俊太郎、同梶川正一、同高野厳、同斎藤光男に支給した訴訟費用の六分の一並びに当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人下山四郎の上告趣意について。

所論は、原判決の量刑非難であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

しかし、職権を以て調査すると、原判決の是認した第一審判決の認定した併合罪中判示第四の昭和二二年政令一六五号違反の罪は、原判決があった後昭和二七年政令一一七号大赦令一条により大赦があったので、刑訴四一一条五号、四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三七条三号により主文一、二項のとおり破棄、免訴し、爾余の同判示第二の(一)乃至(三)の罪につき更に判決すべきものとする。

よって右所為につき法令を適用すると、同(一)、(二)の所為は、新旧関税法(旧法とは昭和二三年法律一〇七号による改正法をいい、新法とは昭和二五年四月三〇日法律一一七号による改正以後の法律をいう。)七六条の二第一項に、同(三)の所為は同条項、刑法六一条一項に該当するから(刑法六条に依り軽い旧法による。)、所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い同(一)の罪につき定めた刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を主文三項の刑に処し、第一審並びに当審における訴訟費用については刑訴一八一条により主文四項のとおり負担せしむべく、なお、前示(一)乃至(三)の犯罪は、昭和二四年二月五日及び同月七日行われた前記旧関税法七六条の二第一項又は同条項、刑法六一条一項に該当する罪であって、被告人はその運搬にかかる貨物を所有又は所持しないものであるばかりでなく旧関税法八三条一項の規定中には「又ハ第七十六条ノ二ノ犯罪ニ係ル貨物」なる法文はなく、同法文は右(一)乃至(三)の犯罪後である昭和二五年四月三〇日改正された新関税法八三条一項に追加規定されたものであるから、右(一)乃至(三)の運搬にかかる貨物の原価については旧法八三条三項の規定によって追徴することはできないものと認め裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

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