大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)4197号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人小沢茂の上告趣意(後記)は、違憲を云々するけれど、その実質は第一点の(一)(二)は単なる訴訟法違反の、同上(三)は採証法則違反事実誤認の、同上(四)は単なる手続違反の、主張に外ならず、また、第二点は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものでありいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(酒税法六〇条四項は「第一項又は第二項の犯罪に係る酒類、酒毋、醪、原料、副産物、機械、器具、又は容器は何人の所有たるとを問わず之を没収す」と規定し、その第一項は免許を受けないで酒類、酒毋又は醪を製造した場合の規定であり、また右第二項はその未遂の場合を規定したものである。されば前示没収の規定は、密造された酒類副産物は勿論それに使用し又は使用せんとした原料、機械、器具類等苟しくも酒の密造に直接若しくは間接に関係を有する一切の動産を没収する趣旨と解せられるのである。そして原審は、所論物件を本件酒の密造に関係を有するものと認定して没収したものであり、右原審の認定は肯認し得るのであるから原判決には違法はないのである。)また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

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