大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(あ)4616号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人大月和男の上告趣意の中被告人須田勇弥に対する分第一は事実誤認、同第二は単なる訴訟法違反、同第三は量刑不当の主張であり、同弁護人の上告趣意の中被告人仲畠陽太郎に対する分第一は単なる法令違反、同第二は量刑不当の主張であって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人海野普吉、同位田亮次の上告趣意第一点は単なる訴訟法違反(交付罪も供与罪も所謂買収犯の一態様であり、公訴事実の同一性を欠くものではなく、その法定刑も同一であるから、所論の如き供与罪の起訴に対し、原判決が訴因及び罪条の変更なくして交付罪の事実を認定したからといってこれにより被告人の防御権を不当に制限したものとは認められない。原判決には所論のような違法はない。)同第二点、第三点は量刑不当の主張であって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人岸達也の上告趣意第一点は憲法及び判例の違反をいうが、原判決は、被告人の検察官に対する供述調書のほか、証人古宮善助の公判調書中の供述記載及び同人の検察官に対する供述調書を補強証拠として挙示しているのであって、所論は、前提を欠き、採用することができない。同第二点は判例違反をいうが、所論引用の判例は本件に適切でなく実質は単なる訴訟手続違背の主張であり、同第三点は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反、同第四点は量刑不当の主張であって、いづれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人仲畠陽太郎の上告趣意は量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

記録を調べても同第四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野 毅 裁判官 齋藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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