大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(あ)5244号 判決

本籍

長崎県北松浦郡志佐町一〇番地

住居

大阪市西成区山王町一丁目一七番地 友清秋子方

露天商

梅野国男

大正一四年二月一二日生

右に対する傷害被告事件について、昭和二八年一〇月一三日大阪高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人金子新一の上告趣意第一点は憲法違反をいうけれど、その実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、(昭和二二年(れ)一七一号同二三年五月五日大法廷判決判例集二巻五号四四七頁以下、及び昭和二三年(れ)五一二号同二四年三月二三日大法廷判決、判例集三巻三号三五二頁以下参照)、同第二点は判例違反をいうけれど、引用の判例は本件に適切でなく、所論は単なる法令違反の主張に外ならない。(原審の是認した第一審判決の確定した事実によれば被告人はジヤツクナイフでまず宮崎千代美の左前頸部を突刺し、これに挫傷を与え、次いで松田嘉明の右耳前部左顎下等を三回突き刺しこれに切創を与えたというのである。すなわち被告人は別個の行為によつて被害者両名に対しそれぞれ傷害を加えたというのであるから、たとえ、それが同一動機に基ずき殆んど時と所とを同じくして順次行われたものであるとしても、被害者毎に別異の法益の侵害ありと認むべく従つて本件傷害罪は二個成立するものというべく、これを併合罪とした原判旨は正当である。)それ故論旨はいずれも上告適法の理由に当らない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

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