大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29年(あ)543号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人の上告趣意は事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであり、弁護人谷川哲也の上告趣意第一点は判例違反をいうけれど、原審で主張されず従ってその判断を経ていない事項を主張するものであって刑訴四〇五条の上告理由として採るを得ない。同第二点は単なる法令違反の主張であり、(事実審の確定した事実によれば所論三個の殺人の所為は所論一個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法五四条一項後段、一〇条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべきであり、従って第一審判決にはこの点に関し法条適用につき誤謬あること所論のとおりであるが、右判決は結局被害者清文に対する殺人罪につき所定刑中死刑を選択し同法四六条一項に従い処断しているのであるから、該法令違背あるに拘わらず原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとはいい得ない。)同第三点は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であっていずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。その他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

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