大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31年(オ)104号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

論旨一について。

商法五五一条の「物品」中には、有価証券を包含すると解するを相当とする。それ故、これと同趣旨に解し、被上告会社を問屋であるとした原判示は正当であつて、所論は採るを得ない。また、論旨は原審が商法五五六条を適用しなかつたことを非難するが、所論は原審の判示に副わない事実関係を前提とするものであつて採るを得ない。(原審は、上告人が被上告会社の委託買付に異議のなかつたこと、唯上告人がその新株買付代金債務を履行しなかつたこと等を認定しているに止まり、所論株式を上告人が受取ることを拒み又は之を受取ることができなかつたとの事実を何ら認定していない。)

同二について。

所論は原審の裁量に属する証拠の取捨、事実の認定を非難し、これを前提として法令違反をいうのであつて、採るを得ない。(原審は、上告人の自白が、所論のように真実に合致しないこと、および錯誤に基づいたものであることはこれを認めるに足る証拠がないから、該自白の取消は許されないと判示しており、右判断は当審においても是認できる。)

同三について。

原審の認定した事実関係の下においては(原審は、上告人は石川島重工業新株の買付方を被上告会社金沢支店に委託し、且つ買付値段、および時期をも同支店に一任した旨を認定している。)、所論の違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫)

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