大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33年(あ)547号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人石田寅雄、同林信彦、同相原秀年の上告趣旨第一点は、単なる法令違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、原審の是認した第一審の認定にかかる被告人の本件一連の行為は、それ自体が全体として、その際の情況に照らして、刑法三六条一項にいわゆる「已ムコトヲ得サルニ出テタル行為」とはいえないのであって、却って同条二項にいわゆる「防衛ノ程度ヲ超エタル行為」に該るとして、これを有罪とした原審の判断は正当である。)同第二点、第三点中違憲をいう点は、憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判とは、所論のような場合をいうものでないことは、屡々当裁判所の判示したところであり、その余は事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人坂本泉太の上告趣旨第一点は、違憲をいうが、その実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(そして、記録によれば、所論原審の昭和三三年二月一〇日の第五回公判期日には、弁護人、被告人共に出頭し、裁判官がかわったための公判手続の更新がなされ、証拠調を行い、弁護人の質問に対し被告人が任意の供述をし、次いで裁判長は結審して、判決宣告期日を二月二四日午前十時に指定し、右に対し弁護人、被告人より別段の異議も申し立てられなかったことが明らかである。かような事情の下においては、原審裁判長が、所論のように、検察官及び弁護人の弁論を封じて意見を述べる機会を与えなかったものであるとは認められない。それ故、所論違憲の主張は前提を欠くものである。)

同第二点は事実誤認、単なる法令違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても、所論の点につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 高木常七)

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