大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

最高裁判所第一小法廷 昭和42年(オ)476号 判決

上告人

高松食品株式会社

右代表取締役

高松雪子

右訴訟代理人

倉橋春雄

被上告人

田中春栄

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人倉橋春雄の上告理由について。

論旨は、原審控訴人太田裕康は朝早く自転車で牛乳を配達し、それが終れば上告会社となんら関係がなく、また本件自動車とも関係をもたない、と主張する。

しかし、原判決(引用の第一審判決を含む。以下同じ)の確定するところによれば、上告会社は牛乳の販売を業とする会社であつて、右太田は上告会社に朝の牛乳配達のアルバイトとして継続的に雇用され、単車等により牛乳の配達業務に従事していた者であり、また同人が本件事故発生前、普通自動車の運転免許をとる目的で、当時の上告会社代表取締役荘司良平の指導のもとに、上告会社の小型四輪(宣伝用)自動車を使用して、多数回にわたり運転の練習をしていたこと、ことに本件事故を起した小型四輪(貨物)自動車は、前記荘司個人の所有ではあるが、上告会社が管理権をもち、牛乳配達のために使用していたものであるというのであり、その他原判決認定の事実関係のもとにおいては、右太田が本件事故発生当日の午後二時三〇分ころ、上告会社の近くに駐車してあつた本件自動車を無断運転発車した行為は、上告会社のためにこれを運行したものと解すべきであり、本件につき、自動車損害賠償保障法三条の規定を適用して、上告会社の損害賠償責任を肯定した原判決の判断は正当である。

所論引用の判例は本件に適切でなく、論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(岩田誠 入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 大隅健一郎)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com