大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

最高裁判所第一小法廷 昭和46年(オ)873号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告人平田恒子、同笹原秀仁、同原桂一郎の上告理由一について。

所論の委任状の記載は、控訴審における一切の訴訟行為について授権をした趣旨に解することができないものではなく、これを委任事項の記載がまつたくない場合と同視して、訴訟委任の効力を妨げるものと解することはできない。そのほか、記録に徴しても、原審において控訴人(上告人)らが選任した訴訟代理人の代理権の欠缺を窺わせる事情は何ら認められない。したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同二について、

記録によれば、原審の証人等目録に、第五回口頭弁論期日において所論本人尋問の申出があつた旨の記載があり、同目録は口頭弁論調書と一体をなすものとして作成されているのであるから、調書に右申出についての記載が脱落しているものということはできず、なお、右本人尋問を採用しなかつた原審の措置に違法は認められない。論旨は、誤つた前提に立脚して原判決の違法をいい、また、原審の専権に属する証拠の採否を非難するものであつて、採用することができない。

なお、上告人平田恒子の補助参加人株式会社第一相互銀行の訴訟代理人平田政蔵から上告理由書が提出されたが、補助参加人が上告理由書を提出することのできる期間は被参加人の上告理由書提出期間内に限られるものと解すべきところ(最高裁昭和二四年(オ)第三二一号・第三四二号同二五年九月八日第二小法廷判決、民集四巻九号三五九頁参照)、本件補助参加人代理人の右上告理由書は、上告人平田恒子に上告受理通知書が送達された日から五〇日を経過したのちに提出された不適法なものであることが明らかであるから、同書面記載の上告理由に対しては判断しない。

よつて民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤林益三 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隅健一郎 裁判官 下田武三 裁判官 岸 盛一)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com