大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25年(あ)918号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一〇〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人及その弁護人石川忠義の各上告趣意について。

上告の申立は、刑訴四〇五条に定めてある事由があることを理由とするときに限りなすことができるものである。同四一一条は、上告申立の理由を定めたものではなく、同四〇五条各号に規定する事由がない場合であっても、上告裁判所が原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めた場合に職権をもって原判決を破棄し得る事由を定めたものである。しかるに所論は、明かに同四〇五条に定める事由に該当しない。のみならず弁護人石川忠義の所論勾留状に記載した、有効期間とは、その勾留状の執行に着手するのは右期間内に限るとする趣旨で勾留状に基き被疑者を留置し得る期間(勾留の期間)を記載したものでないことは刑訴六四条の明文に徴し明らかである(昭和二五年(あ)第二六一号同年六月二九日第一小法廷決定参照)。そして、本件において検察官は右勾留の請求をした昭和二四年九月一七日から十日以内である同月二六日に公訴の提起をしているので本件被告人に対する勾留には何等違法はない。なお本件は同四一一条を適用すべきものと認められないから同四一四条三八六条三号一八一条刑法第二一条により主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

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