大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26年(あ)2447号 決定

本籍

朝鮮全羅南道光陽郡玉龍面龍谷里

住居

岐阜県多治見市市之倉町下

土工

山本新吉こと

徐相奉

数え年六二年

本籍

朝鮮慶尚北道達城郡城西面新洞〓五六三番地

住居

岐阜県多治見市大正町二丁目三二番地

飴製造業

金山盛好こと

金盛好

昭和四年三月一五日生

右の者等に対する公務執行妨害各被告事件について昭和二六年五月一九日名古屋高等裁判所の言渡した判決に対し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人徐相奉の弁護人河村泰三の上告趣意について。

論旨は適法になされた事実認定の非難に帰し上告適法の理由とならない。

被告人徐相奉及び同金盛好の弁護人桜井紀の上告趣意第一点、第二点及び第三点について。

論旨いずれの点も刑訴四〇五条の定める上告理由にあたらない。唯、第一点の論旨に関聯して、本件の場合公務執行妨害罪が成立するか否かの問題を考えてみるに、論旨は、本件においては接収財産の引渡令書が交付されていないから適法な公務の執行と解することはできないと主張するに帰着する。しかし論旨が、引渡令書の呈示を求めたにもかかわらずこれを呈示しなかつたのであるから公務の執行とは認められない、というのであるならば格別(最高裁判所昭和二五年(れ)第一三二五号同二七年三月二八日第二小法廷判決参照)、そのような事実は原判決の確定していないところである。のみならず仮りに事実がそうであつて、公務執行妨害罪が成立しないものとしても、暴行罪の成立することは明らかであり、右暴行罪のみとしても原審の量刑は著しく正義に反するものとは言えないから、刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべきものとは認められない。なお記録を精査してもその他にも刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致の意見を以て、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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