大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26年(あ)3671号 判決

本籍

大分市南大分旭町一五四二番地

住居

同市西新町二五五三番地 笠置ヨシ子方

飲食店営業

笠置文男

明治三四年五月六日生

右の者に対する傷害、暴行、公務執行妨害被告事件について昭和二六年七月一一日福岡高等裁判所宮崎支部の言渡した判決に対し、被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人吉田助右衛門の上告趣意及び同桜井忠男の上告趣意は後記のとおりである。

弁護人吉田助右衛門の上告趣意は、被告人が当時心神耗弱の状態にあつたという原判決の認定していない独自の見解の下に原判決の量刑不当を主張するのであつて、刑訴四〇五条の適法な上告理由にあたらない。

弁護人桜井忠男の上告趣意は、原判決原本末尾に昭和二六年六月二九日の日附記載があつて、判決宣告の日は調書に昭和二六年七月一一日とあるから、はたしてこの日に言渡されたかどうか判らないという趣旨を前提として、原判決の憲法三一条違反を主張するのであるが、判決書の末尾にある年月日は特段の記載なきかぎりその作成の年月日と読むべきであり且つその作成が判決宣告の日より以前であることは通例であるから、原判決が調書の記載どおり昭和二六年七月一一日に言渡されたことはなんら疑うべくもない。また原判決の欄外における判決宣告日が昭和二六年七月一一日に訂正されているにかかわらず、加削の字数の記載がないことは所論のとおりであるが、この誤りがあるからといつて訂正の事実を否定することはできない。されば所論憲法違反の主張は前提を欠くことに帰着し、理由がない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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