大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28年(オ)960号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告補助参加人代理人逸見惣作の上告理由は末尾添附の別紙記載のとおりである。

上告理由第一点について。

しかし原判決の認定するところによれば、被上告社団の事務所は戦前には仙台市元寺小路一六一番地に存在したけれども、右事務所は昭和二〇年の戦災で焼失し、その後同二四年一二月再び右の場所に復活するまでは、右番地には被上告社団の事務所もなく、また、専従の本務取扱者もいなかつたのである。当時被上告社団宛の郵便物は往々にして誤つて同番地にある元寺小路教会に配達され同教会司祭が被上告社団の理事に回付したこともある事実は原判決も認めるところであるが、このような事実によつても前記事務所復活前の昭和二四年八月五日右番地を記し被上告社団宛に普通郵便をもつて発送された本件買収令書が被上告社団に到達したことまで推定することはできないものといわなければならない。論旨の引用する判例はいずれも本件と場合を異にし本件に適切な先例ということができない。論旨は理由がない。

同第二点について。

右説明のように本件郵便物の発送の事情によつては、その到達まで推定することができない事情のもとにおいては、原判決が郵便物が返還されなかつた事実によつてもその到達を認めなかつたからといつて、原判決に所論のような違法はない。論旨は採用することができない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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