大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和46年(あ)849号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人田山睦美の上告趣意第一点は、道路交通法七二条一項前段、同一一七条が憲法三八条一項に違反する旨主張するが、道路交通法七二条一項前段の規定は、交通事故があったときに、当該車両の運転者等に対し、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない義務を課するにとどまり(また、同一一七条は、その義務違反に対する罰則を定めたものにすぎない。)、右運転者等に対し自己が刑事上の責任を問われる虞れのある事項について供述を強要するものではないから、右各規定が憲法三八条一項に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和三五年(あ)第六三六号同三七年五月二日大法廷判決、刑集一六巻五号四九五頁)の趣旨に照らして明らかである。論旨は理由がない。

同第二点は、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 田中二郎 裁判官 関根小郷 裁判官 天野武一)

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