大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和50年(あ)381号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人佐藤卓也の上告趣意は、憲法三九条後段違反をいうが、原審において主張・判断を経ていない事項に関する違憲の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

なお、記録によると、第一審判決判示第一の事実は、「被告人は、公安委員会の運転免許を受けないで、昭和四八年一一月一七日午前零時五〇分頃、横浜市南区六ツ川一丁目三九番地付近道路において、普通乗用自動車を運転した」というものであるところ、被告人は、前記日時場所において普通乗用自動車を運転する際、運転免許証を携帯しなかつたという事実につき、警察官から道路交通法一二六条に定める告知を受け、所定の期間内に免許証不携帯に係る反則金に相当する二〇〇〇円を仮に納付し、神奈川警察本部長は、被告人に対し公示による通告をしたことが明らかであり、右無免許運転の事実と免許不携帯の事実との間には、事実の同一性があるものと認められるが、本件のように運転の免許を受けていない者を運転の免許を受けている者と誤認してした通告は無効と解するのが相当であるから、反則金が納付されたとしても、道路交通法一二八条二項に定める効力は発生しないものというべきである。したがつて、本件の公訴の提起には、なんら違法な点はない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(環昌一 江里口清雄 高辻正己 横井大三)

弁護人佐藤卓也の上告趣意〈省略〉

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