大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

最高裁判所第二小法廷 昭和28年(さ)2号 判決

本籍

福岡市大学通一丁目一八二番地

住居

同市比恵上牟田二番地 国際ネオン電気社宅

古川電気会社電工

山田俊一郎

大正五年一月四日生

右の者に対する窃盗被告事件について、昭和二七年六月一八日福岡簡易裁判所の言渡した有罪確定判決に対し、検事総長佐藤藤佐から非常上告の申立があつたので、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

原判決を破棄する

被告人山田俊一郎を懲役六月に処する。

原審における未決勾留日数中三〇日を右本刑に算入する。

理由

検事総長佐藤藤佐の非常上告趣意について

一件記録に徴すれば、被告人山田俊一郎に対する窃盗被告事件につき、昭和二七年六月一八日福岡簡易裁判所は二個の窃盗の犯罪事実並びに「被告人は昭和二四年九月一七日福岡簡易裁判所に於て窃盗罪により懲役一年六月に四年間刑の執行猶予に処せられたものである」との事実を認定し、刑法二三五条、二一条、四五条、四七条、一〇条、五六条、五七条を適用した上、被告人を懲役一年に処す、未決勾留日数三〇日を本刑に通算する旨言渡し、この判決に対し被告人より控訴を申立てたが、昭和二七年一〇月二八日控訴取下により右判決は同日確定するに至つた事実が認められる。

されば、原判決において、当時被告人の判示前科の刑が執行猶予中であることを認定しながら、刑法五六条五七条を適用して累犯加重をなした上被告人を懲役一年に処する旨の言渡をなしたことは、右各法条の適用を誤つた違法があり、本件非常上告は理由があるのみならず、原判決は被告人のため不利益であること明らかであるから、刑訴四五八条一号により原判決を破棄し、被告事件につき更に判決をする。

原判決の認定した(一)(二)の犯罪事実に法律を適用すれば、各窃盗の所為は各刑法二三五条に該当するところ、以上は同四五条前段の併合罪であるから、同四七条一〇条により犯情の重い(一)の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内において被告人を懲役六月に処し、同二一条により原審における未決勾留日数中三〇日を右本刑に算入すべきものとする。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

本件公判には検察官安平政吉が出席した。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com