大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31年(オ)817号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人木村美根三の上告理由について。

本件青森県議会議員選挙の東津軽郡選挙区「第五六投票区」において、二七票の不在者投票を開票管理者に送致する手続に過誤あり、同区の投票管理者がこれにつき受理、不受理の決定をしなかつた等原判示のような手続上の違背がありこれがために右二七票が不法に投票の効力を失わしめられたことは、原判決の確定するところである。論旨はかくの如き場合には、公職選挙法二〇九条の二の規定する計算方法に準じ各候補者の得票数を計算すべきであるのに事茲に出なかつた原判決は法律の適用を誤まるものであると主張するけれども、同条の二は潜在的無効投票の場合に関する規定であつて、これを本件の場合に準用すべきでなく、かくのごとき場合においては、原判示のごとく右不法に投票の効力を失わしめられた不在投票の数(本件の場合二七)を、下位当選者の得票数と最高位落選者の得票数との差と比較して、当選者の当選の効力に影響を及ぼすかどうかを決するの外なきものと解すべきである。されば論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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