大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

最高裁判所第二小法廷 昭和40年(オ)1498号 判決

上告人

黒川不可止

右訴訟代理人

山本郁夫

被上告人

園タツヨ

右訴訟代理人

清源敏孝

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山本郁夫の上告理由第一点について。

原審認定のごとく、債務者が既存の抵当権債務の弁済をするために、右被担保債権額以下の実価を有する抵当物件たる所有不動産を相当な価格で売却し、その代金を右債務の支払に充てて当該抵当権の消滅をはかる場合にあつては、その結果右債務者の無資力を招いたとしても、右不動産売却行為は、一般債権者の共同担保を減少することにはならないから、民法四二四条所定の詐害行為にあたらないと解するのを相当とする。従つて、これと同じ結論を示した原審の判断は、首肯できる。

論旨挙示の判例は、本件に適切でなく、本件売却行為にあたつて債務者たる訴外宮川ノブに一般債権者を詐害する意思があつたとする所論は、原審認定にそわないことをいうにすぎない。

従つて、原判決に民法四二四条の解釈の誤りがあるという所論は、すべて採用できない。

同第二点について。

論旨は、本件売却行為が債務者と受益者との通謀によることをいうが、右事実関係は原審で主張なく従つて認定判断を経ないことであるから、これを前提とする審理不尽、理由不備の論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、被判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

本サイトは報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること)を事業としており,掲載された全ての情報は報道等に活用することを目的としています。

©daihanrei.com