大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和42年(オ)264号 判決

上告人

田中太熊

右訴訟代理人

田中登

被上告人

河原繁

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人田中登の上告理由について。

原判決(第一審判決引用)は、その挙示する証拠により、上告人は訴外鎌田実から、同人が訴外林容史一を通じて他から融資を得るについて保証して欲しい旨依頼されてこれを承諾したこと、そこで上告人は、右保証人となることなどについて、林容史一または同人の委任する第三者に代理権を与える目的で、自己の白紙委任状(内容が記載されていないもの)。および印鑑証明書などを林容史一に交付したこと、しかし、右林容史一を通じての融資が不成功に終つたので、鎌田実が、林容史一から右委任状などの返還を受け、被上告人との間に本件消費貸借契約を締結するにあたり、被上告人に対し右上告人の白紙委任状、印鑑証明書などを交付し、自ら上告人の代理人として本件連帯保証契約を締結したことを適法に確定しているのであり、右事実関係によれば、上告人は被上告人に対し、鎌田実に右代理権を与えた旨を表示したものと解するのが相当である。所論のうち、鎌田実は、上告人から保証を打ち切られたのにかかわらず、林容史一を欺罔して上告人の委任状などの交付を受けたものである旨述べて原判決を非難する部分は、原判決の認定しない事実に基づく主張であるから、採用することができない。原判決には何ら所論の違法はない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)

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