大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和45年(あ)1247号 判決

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人山口央の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、原審は所論引用の判例と異なる判断をしたものではないから、判例違反の主張は理由がなく、その余は、事実誤認の主張であつて、同法四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、昭和四六年法律第九八号による改正前の道路交通法三六条二項において「その通行している道路(優先道路を除く。)の幅員よりもこれと交差する道路の幅員が明らかに広いものであるとき」という場合の道路とは、歩道と車道の区別がある道路においては、車道をいうものである(同法一七条三項)。これを本件についてみるに、原審の認定した事実によると、本件の交差点は、被害者大谷清利の運転する自動車が通行していたほぼ東西に通じる道路(以下、これを東西道路という。)と、被告人の運転する自動車が通行していたほぼ南北に通じる道路(以下、これを南北道路という。)とが十字型に交わるものであつて、東西道路は、歩道と車道との区別がなく、その幅員が、交差点の東側では約7.9メートル、西側では約5.8メートルであり、南北道路は、歩道と車道の区別があり、車道の幅員が約九メートル、その両側にある歩道の幅員がそれぞれ約4.5メートルであるから(被告人および弁護人は、上告趣意において、南北道路の歩道と車道の幅員の合計一八メートルを基準として、これと東西道路の幅員とを比較し、南北道路の幅員が明らかに広いものである旨を主張するのである。)、東西道路の交差点東側の幅員と南北道路の車道の幅員との差は約1.1メートルにすぎず、東西道路の幅員よりもこれと交差する南北道路の幅員が明らかに広いものとは認められない。したがつて、これと同趣旨の原判断は相当である。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四〇八条、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(小川信雄 色川幸太郎 村上朝一 岡原昌男)

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