大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和46年(オ)393号 判決

主文

理由

上告代理人江口三五の上告理由第一点について。

被上告人につき訴外水田喜佐久に対する所論の債務不履行の成立を認めるに足りる証拠はないとした原審の判断は、挙示の証拠関係および本件記録に照らして、首肯することができないわけではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつきよう、原審の適法にした証拠の取捨判断および事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

同第二点について。

原審の確定した事実関係のもとにおいては、被上告人が訴外水田喜佐久の得意先に対し乙第一号証の書面を発送したなどの行為が直ちに右訴外人に対する名誉毀損等の不法行為となるものではないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同第三点について。

民法四二六条にいう「債権者カ取消ノ原因ヲ覚知シタル時」とは、債権者が特定の具体的な詐害行為の存在を知つた時を指すものと解するのが相当である。そして、右と同旨の見解に立つたうえ、被上告人は、同人が本件物件につき仮差押をしたのに対して上告人が第三者異議の訴を提起するに至るまで、訴外水田喜佐久が上告人との間で締結した本件各契約の存在を知らなかつたものであるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係および本件記録に照らして、首肯することができないわけではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつきよう、独自の見解に立ち、または、原審の認定にそわない事実関係を前提として、原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。

(裁判長裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一 裁判官 岡原昌男 裁判官 小川信雄)

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