大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和62年(し)17号 決定

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は、申立人作成提出の特別抗告申立書記載のとおりである。

職権をもって調査するのに、申立人は、申立人に対する名誉毀損被告事件について、昭和六二年一月二一日、富山地方裁判所書記官Aを忌避する旨の申立をしたところ、同裁判所は、同月二六日、本件忌避申立は理由がないとしてこれを却下する旨の裁判をし、引き続き審理の上、同年三月三日右被告事件につき判決を宣告したものであることが明らかである。

ところで、元来書記官忌避申立却下の裁判は、当該書記官の関与する被告事件の審理が継続する限りにおいては、これを取り消す実益があるけれども、審理が終了し、判決宣告を終った後においては、右実益が失われるものと解するのが相当であるところ、本件経過は、前段掲記のとおりであるから、原裁判、ひいては本件忌避申立却下の裁判を取り消す実益がすでに失われていることが明らかである。したがって、本件抗告の申立は、現在においてはもはや法律上の利益を欠き不適法というべきである。

よって、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 香川保一 裁判官 牧 圭次 裁判官 島谷六郎 裁判官 藤島 昭)

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