大判例

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東京地方裁判所 平成11年(ワ)13848号 判決

《住所略》

甲、乙、丙事件原告

後藤民夫

《住所略》

甲事件被告

安藤光郎

《住所略》

甲事件被告

佐藤興太郎

《住所略》

甲事件被告

兼子勲

《住所略》

甲事件被告

市ノ澤武士

《住所略》

乙事件被告

山地進

《住所略》

乙事件被告

利光松男

《住所略》

丙事件被告

塩田年生

《住所略》

丙事件被告

岡崎俊城

被告訴訟代理人弁護士

手塚一男

矢島匡

主文

本件訴えをいずれも却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  甲事件

被告らは、日本航空株式会社に対して、連帯して、24億円及びこれに対する被告市ノ澤武士については平成11年12月16日から、その余の被告らについては平成11年12月11日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

二  乙事件

被告らは、日本航空株式会社に対して、連帯して、1518億3000万円及びこれに対する平成11年12月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

三  丙事件

被告らは、日本航空株式会社に対して、連帯して、4億円及びこれに対する平成11年12月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、日本航空株式会社の株主である原告が、日本航空の取締役又は取締役であった被告らに対して、日本航空に対する損害賠償を求める株主代表訴訟である。

原告の請求は、要するに被告らの次に記載する行為がいずれも取締役の善管注意義務違反及び忠実義務に違反すると主張して、日本航空に対する損害賠償を被告らに求めるものである。

1  甲事件

日本航空が平成11年2月から遡る過去5年間に株主優待券のうちから予備に印刷した一部を金券ショップで換金するなどして作った約24億円を総会屋対策等に不正に流用した。

2  乙事件

〈1〉被告山地進及び同利光松男が行ったオリンピック博物館建設資金のための1億3000万円の寄付、〈2〉1998年3月期に1500億円の内部留保の取崩しの原因となったホテル経営の失敗、〈3〉1998年3月期に行った日本ユニバーサル航空株式の評価替えに伴う17億円の特別損失の計上。

3  丙事件

〈1〉日本航空が関西地区のマルチ切符販売をケーケーエアーに独占販売させジャパン・スカイ・システムの販売を中止させ、一部の社員とつるんでふところを肥やしたことにより1億円の損害を発生させ、〈2〉警視庁のOBが日本航空にたかって国際線を特別に安く卸させジャパンエアトラベルに販売させて3億円の損害を発生させたこと。

第三  当裁判所の判断

一  当裁判所は、被告らの申立てにより、平成12年5月25日、被告ら各自のために、甲、乙、丙事件の訴えの提起について、本決定の確定した日から14日以内に各1000万円の担保を提供すべきことを原告に対して命ずる決定をした(本件各担保提供命令)。

本件各担保提供命令は、平成12年6月19日、原告に送達され、同月26日の経過により本件各担保提供命令は確定した。

しかるに、原告は、本件各担保提供命令において命じられた担保の提供をしたことを当裁判所に届け出ていない。

二  以上によれば、原告は、当裁判所から命じられた担保を提供していないと認めることができる。

よって、本件各訴えは、民事訴訟法81条において準用する同法78条によりこれを却下することとし、訴訟費用の負担につき同法61条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小林久起 裁判官 河本晶子 裁判官 松山昇平)

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