大判例

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東京地方裁判所 平成7年(特わ)3161号 判決

裁判所書記官

布施隆

本店所在地

東京都港区虎ノ門一丁目二三番一号

株式会社ニッコンサービス

(右代表者代表取締役 大西七郎)

本籍

東京都町田市つくし野一丁目一九番地四七

住居

右同

会社役員

大西七郎

昭和一五年七月六日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官石垣陽介、同細野隆司、弁護人弘中徹、同三好重臣、同早坂亨各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社ニッコンサービスを罰金二四〇〇万円に、被告人大西七郎を懲役一年二月にそれぞれ処する。

被告人大西七郎に対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社ニッコンサービス(以下「被告会社」という)は、東京都港区虎ノ門一丁目二三番一号に本店を置き、食料品の製造、販売等を目的とする資本金一〇〇〇万円の株式会社であり、被告人大西七郎(以下「被告人」という)は、被告会社の代表取締役として、被告会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外し、架空仕入を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一  平成三年四月一日から同四年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億五〇一一万五〇九一円(別紙1(1)の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同年六月一日、同都港区芝五丁目八番一号所在の所轄芝税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四六七八万〇五八四円で、これに対する法人税額が一六二七万二六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成八年押第四四六号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額九二五二万三三〇〇円と右申告税額との差額七六二五万〇七〇〇円(別紙2のほ脱税額計算書参照)を免れ

第二  同五年四月一日から同六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億一八〇八万六二九六円(別紙1(2)の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同年五月三一日、前記芝税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六五五八万五四八三円で、これに対する法人税額が二三六八万八二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額八〇八五万四八〇〇円と右申告税額との差額五七一六万六六〇〇円(別紙2のほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書六通

一  牛来侃二郎及び阿部弘の検察官に対する各供述調書

一  佐々木信雄の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  検察事務官作成の平成七年一〇月二三日付け、同月二四日付け(三通)、同月三一日付け及び同月二六日付け各捜査報告書

一  大蔵事務官作成の当期商品仕入高調査書、支払手数料調査書、受取利息調査書、受取配当金調査書及び道府県民税利子割調査書

判示冒頭の事実について

一  登記官作成の登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本(二通)

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の支払利息調査書

一  検察事務官作成の平成八年三月二八日付け捜査報告書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成八年押第四四六号の1)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の留保金に対する税額調査書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(同押号の2)

(法令の適用)

一  罰条

1  被告会社

判示各事実につき、いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)

2  被告人

判示各所為につき、いずれも法人税法一五九条一項

二  刑種の選択

被告人につき、いずれも懲役刑

三  併合罪の処理

1  被告会社

刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの。以下、同様)四五条前段、四八条二項

2  被告人

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

四  刑の執行猶予

被告人につき、刑法二五条一項

(量刑の理由)

本件は、食料品の製造、販売等を目的とする被告会社が、二事業年度にわたり合計一億三三〇〇万円余の法人税を免れた事案である。ほ脱税額は高額で、ほ脱率も通算約七六・九パーセントと高率である上、その主たる手口は、従業員に指示して、出金伝票に水増しした仕入金額を記載させるなどして、商品仕入高を過大に計上するといったもので、計画的かつ悪質である。また、脱税の動機をみても、被告人は、得意先の板前からリベートを要求され、得意先を維持するためには、簿外資金を蓄積してリベート資金を捻出するしかなかったなどと述べているが、たとえそのような事情があったにせよ脱税が許されるはずもなく格別斟酌するに値しないものであって、これらの諸点からすると被告人及び被告会社の刑事責任は重いというべきである。しかしながら、他方、被告会社はその後修正申告の上本件に関する本税等を完納していること、被告人が本件各犯行を深く反省し、本件査察調査後は、顧問税理士の指導を受けながら経理処理を適正に行っていること、被告人には前科が全くないこと、その他被告人の家庭環境等被告人及び被告会社のために酌むべき諸事情も認められる。そこで、当裁判所は、以上のほか一切の情状を考慮し、主文のとおり量刑した次第である。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社・罰金三〇〇〇万円、被告人・懲役一年二月)

(裁判官 平木正洋)

別紙1(1)

修正損益計算書

〈省略〉

別紙1(2)

修正損益計算書

〈省略〉

別紙2

ほ脱税額計算書

株式会社ニッコンサービス

〈省略〉

株式会社ニッコンサービス

〈省略〉

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