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東京地方裁判所 昭和31年(ワ)4452号 判決

原告 (第一〇五号事件 原告・第九九四〇号事件 被告・第一七三号事件 被告・第四七九号事件 被告・第二六〇七号事件 被告・第四四五〇号事件 反訴原告・第四四五二号事件 反訴原告・第四四五三号事件 反訴原告・第九八八二号事件 反訴原告) 宗教法人 高円寺

被告 (第一〇五号事件 被告・第四七九号事件 原告) 小柳理三郎

(第四四五〇号事件 反訴被告・第九九四〇号事件 原告) 中村義馬 外七名

(第四四五〇号事件 反訴被告・第四四五三号事件 反訴被告・第九九四〇号事件 原告・第四七九号事件 原告) 青木光重

(第四四五二号事件 反訴被告・第一七三号事件 原告) 大槻清一 外五名

(第四四五三号事件 反訴被告・第四七九号事件 原告) 岩内勇 外三名

(第九八八二号事件 反訴被告・第二六〇七号事件 原告) 大里米太郎 外二名

主文

原告の被告小柳理三郎に対する本訴請求並びにその余の被告らに対する反訴請求はいずれもこれを棄却する。

被告らの原告に対する第一次的請求はこれを棄却する。

原告は、別紙第三目録買受土地らん記載の各土地につき曹洞宗管長に対し財産処分承認申請手続をし、その承認があつたときはそれぞれ被告らに対し、同第五目録記載の被告らについては同被告らが同目録不足額らん記載の各金員を支払うと引換えに、同第三目録買受日時らん記載の各日付による売買を原因とする所有権移転登記手続をなすべし。

被告らの第二次的請求中債務不履行を原因とする損害賠償の請求はこれを却下し、特約にもとづく損害賠償の請求はこれを棄却する。

訴訟費用は本訴並びに反訴を通じてこれを二分し、その一を原告の、その余を被告らの各負担とする。

事実

(当事者双方の申立)

第一原告の本訴及び反訴請求の趣旨並びに被告らの本訴請求の趣旨に対する原告の申立

原告訴認代理人は「被告らは、原告に対し、それぞれ別紙第一目録記載の各建物を収去して(但し同目録に記載のある被告らに限る。)、同第二目録記載の各土地を明け渡すべし。被告らの請求はいずれもこれを棄却する。訴訟費用は本訴並びに反訴とも被告らの負担とする。」との判決並びに第一項につき仮執行の宣言を求めた。

第二被告らの本訴請求の趣旨並びに原告の本訴及び反訴請求の趣旨に対する被告らの申立

被告ら訴訟代理人は、第一次的に「原告は、被告らに対し、それぞれ別紙第三目録買受土地らん記載の各土地につき、同第五目録記載の被告らについては同被告らが同目録不足額らん記載の各金員を支払うと引換えに、同第三目録買受日時らん記載の各日付による売買を原因とする所有権移転登記手続をなすべし。原告の被告小柳理三郎に対する本訴請求並びにその余の被告らに対する反訴請求はいずれもこれを棄却する。訴訟費用は本訴並びに反訴とも原告の負担とする。」との判決を求め、第一次的請求の理由がないときには第二次的請求として、「原告は、別紙第三目録買受土地らん記載の各土地につき曹洞宗管長に対し財産処分承認申請手続をし、その承認があつたときはそれぞれ被告らに対し、同第五目録記載の被告らについては同被告らが同目録不足額らん記載の各金員を支払うと引換えに同第三目録買受日時らん記載の各日付による売買を原因とする所有権移転登記手続をなすべし。曹洞宗管長が前項の承認をしないときは、原告は、被告らに対し、それぞれ別紙第四目録記載の各金員を支払うべし。原告の被告小柳理三郎に対する本訴請求並びにその余の被告らに対する反訴請求はいずれもこれを棄却する。訴訟費用は本訴並びに反訴とも原告の負担とする。」との判決並びに第二項につき仮執行の宣言を求め、さらに第二次的請求の理由がないときの第三次的請求として、「原告は、被告らに対し、それぞれ別紙第四目録記載の各金員を支払うべし。原告の被告小柳理三郎に対する本訴請求並びにその余の被告らに対する反訴請求はいずれもこれを棄却する。訴訟費用は本訴並びに反訴とも原告の負担とする。」との判決並びに第一項につき仮執行の宣言を求めた。

(当事者双方の主張)

第一、原告訴訟代理人は、原告の本訴及び反訴請求の原因並びに被告らの主張に対する答弁として次のとおり陳述した。

一、別紙第二目録(一)ないし(二十三)の土地はいずれも曹洞宗に所属する原告寺の所有地であるが、被告らは何らの権原もなく、別紙第一目録記載の各被告は右各土地に右第一目録記載の各建物を建築所有し、その余の被告らは建物を建築所有することなく、右土地をそれぞれ右第二目録記載のように占有して、もつて原告の所有権を侵害しているので、被告らに対し、右土地のうち地上に建物の存在するものについてはこれを収去したうえ、各その占有部分の明渡を求める。

二、被告らの主張事実中、原告寺の住職と檀徒総代らが、戦災をこうむつた原告寺の再建復興について協議をしたこと、原告寺の住職村上道契と被告らとの間において別紙第三目録買受土地らん記載の各土地(以下総括して本件土地という。)につき被告ら主張のような売買契約が結ばれたこと、原告寺の住職村上道契が更迭され、芳賀達宗が後任者となつたこと、被告らの所有権移転登記手続の請求に対し、原告が被告らの主張する売買契約については檀徒総代の同意および宗務庁の承認がないことを理由に拒否していること、原告が被告小柳に対し売買契約の無効を理由に被告ら主張のような訴を提起したことは認めるが、右協議の内容、被告ら主張の占領軍側の当時における戦災寺院に対する態度、売買契約をするに至つた事情は知らない。被告らがそれぞれその主張のとおり本件土地を原告から買い受けてその所有権を取得したこと、大河原房次郎らが売買につき勧誘、交渉にあたつたこと、売買代金が原告寺の再建のため必要であり、住職の売買の同意の本質的動機が右のことにあつたこと、被告らに対する所有権移転登記は曹洞宗主管者の承認書を添付したうえ一括してその手続をする旨その主張する原告寺住職、檀徒総代らから申出をしたこと、当時書類さえ揃えば形式的なかしのない限り宗務庁から当然に承認書が下付される事情にあつたこと、曹洞宗々務庁が所属寺院に復興のため寺有財産を処分して資金調達を図つてよいと通知したこと、売買契約がなされた際被告ら主張のような特約があつたこと、土地を売却するについて檀徒総会に諮つたことはいずれも否認する。もつとも総会と称する会合が開かれたことはあるが、後記のようにそれは適式に招集された総会ではない。その余の事実は争う。

三、原告寺の住職村上道契と被告らとの間に本件土地につき結ばれた売買契約は檀徒総代の同意及び原告寺の所属宗派曹洞宗の主管者の承認がないから、旧宗教法人令(昭和二〇年勅令第七一九号)第一一条に違反して無効である。旧宗教法人令は明治六年太政官布告第二四九号、明治九年教部省達第三号、明治一〇年太政官布告第四三号等を整理統一した法規であるが、同令第一一条は、その前身である右布告等の該当規定と同じく住職が債務負担行為をするには檀徒総代及び宗派の主管者の承認(従前は監督官庁の許可)を要することとして寺院財産の散逸滅失を防止しこれを保護しようとするものである。したがつて右規定は強行法規であつて、これに違反する法律行為はすべて無効と解すべきこと当然である。

(一) 檀徒総代の同意について。

(1)  檀徒総代の同意権は、公法上檀徒総代に与えられた寺院財産監督権の一作用であるから、右同意は寺院財産処分行為の効力要件と解すべきである。

(2)  明治一四年内務省達乙第三三号は、寺院の願届につき檀徒総代又は信徒総代の連署を命じているが、これは檀徒総代の同意が連署という要式行為によつてのみ行われ得ることを意味する。しかして旧宗教法人令第一一条も右通達の趣旨を承けていると解せられるから、ここにいう同意も亦書面による要式行為と解すべく、又前述のような右規定の法意に照らしても檀徒総代の同意は例を土地の売却にとれば具体的に土地の地番、坪数、代金、支払方法、買受人の住所氏名等を書面上確定したうえでなされるべく、かかる形式を備えないものは同意としての効力を生じないものといわなければならない。なお原告寺の所属する曹洞宗の宗規においても財産の処分につき主管者の承認を求めるには財産処分様式第三一号による財産処分承認申請書に檀徒総代の記名捺印のある同意書を添付すべきものとされているが、宗規は単なる内規ではなく、宗派所属寺院において遵守義務のあるものであり、実際上も厳格に取り扱われていたのであるから、檀徒総代の同意は必ずかかる同意書の形式によらなければならないというべきである。

(3)  昭和二五年三月二一日に原告寺において檀徒総会並びに総代会と称するものが開かれ、その席上原告寺の所有宅地中約二、〇〇〇坪の土地を処分する旨の決議書が作成され、これに当時の総代大河原房次郎ら三名が署名捺印したことは認めるが、しかし、これは次のような理由によつて檀徒総代の同意としての効力を有しない。すなわち、右総会は住職村上道契が当初から総代らを欺罔して同意を得ようとして計画したものであり、総会開催の通知をした檀徒は一五〇名中の約二〇名にすぎなかつたし、決議に関与し、議事録に署名捺印した一〇名中三名は、原告寺の檀徒ないし信徒ではなく、村上住職個人の債権者であつた。しかるに村上住職は右総会の通知は檀徒全部にしたし、出席した者は全員檀徒であると偽り、又当日出席した村上住職の友人である松応寺住職を宗務庁の代表者であるかの如く虚偽の紹介をしたので、大河原ら総代はこれを信じて前記決議書に署名捺印したものである。したがつて右檀徒総会並びに総代会なるものは正当のものではなく、この決議は何ら法律上の効力を有するものではない。

(4)  昭和二五年頃、当時の大河原ら三名の檀徒総代が原告寺の所有宅地の処分に関し、「財産処分承認書下附申請書」及びその末尾に添付された「承諾書」並びに「委任状」と題する書面に記名捺印したことは認めるが、これも次のような理由により檀徒総代の同意としての効力を有するものではない。すなわち、右申請書は曹洞宗宗規による財産処分様式によるものであるが、大河原らが記名捺印したときには右申請書の主要事項である処分の理由、処分財産の表示、処分方法、相手方氏名等は全く空白であり、承認書も単に処分を承認する旨の文言があるのみで処分の目的たる物件の表示は全くなく、委任状も委任事項のない白紙委任状であつた。要するに大河原らによる同意は客観的に特定された目的物についてなされたものではないので無効というべきである。なお、寺有財産処分に対する檀徒総代の同意権は一身専属権であつて代理は許されないから、もし大河原らが作成した白紙委任状が右同意権を何人かに委任しようとしたものであるとすれば、その委任は法律上無効である。

(5)  旧宗教法人令第一一条にいう檀徒総代の同意(又は宗務庁の承認)は、いわゆる法定条件であつて民法総則における条件とは異り、この同意(又は承認)を欠く処分行為は絶対的に無効である。又右同意は檀徒総代の住職に対する私法上の意思表示ではなく総代としての職責上の監督権に基づくものであるから、民法総則の意思表示に関する規定の適用はない。したがつて本件の如く檀徒総代の同意が住職の詐欺的行為によつてなされた場合には当然無効である。

(二) 宗派主管者の承認について。

旧宗教法人令第一一条にいう宗派主管者の承認は、従前の監督官庁の許可とともに寺院財産処分行為の効力要件に外ならないが、被告ら主張のように本件土地の売買につき曹洞宗管長が包括的な承認を与えた事実はない。そもそも当時曹洞宗においては所属寺院の寺有財産処分の承認申請及び主管者の承認はいずれも宗規に基づき一定の書式(財産処分様式第三一号)によつて行われていたので、包括的な承認ということはあり得なかつた。

第二、被告ら訴訟代理人は、原告の本訴並びに反訴請求原因に対する答弁並びに抗弁として次のように陳述した。

一、原告の主張事実のうち原告寺が曹洞宗に属する寺院であること、被告らが原告主張のように別紙第二目録(一)ないし(二十三)の土地上に同第一目録(一)ないし(二十三)の建物を所有し、又は所有することなく右土地をそれぞれ占有していることは認めるが、右土地が現に原告の所有であることは否認する。被告らは、後記第三のように、本件土地を原告から買い受け、各その所有者としてこれを占有しているものである。

二、仮りに右売買については原告主張のように未だ宗派主管者の承認がなく、したがつて被告らにおいて本件土地の所有権を取得していないとしても、がんらい旧宗教法人令第一一条が寺院所有の不動産処分の有効要件として檀徒総代の同意、所属宗派主管者の承認を必要とする旨定めたのは寺院住職の恣意による寺有財産の滅失、減損を防止する目的によるものであるところ、本件土地の売買契約は後述のとおり原告寺住職や檀徒総代らの同意があつてなされたものであり、これに対する宗務庁の承認も、承認申請が適式になされさえすれば当然に与えられる事情にあるにかかわらず、原告寺における住職と一部檀徒との間の内部的紛争によつてその手続がとられていないために未だ承認がないという関係にあるにすぎないのであるから、原告の本件明渡請求は、原告の寺有財産の滅失、減損を防止するなんらの必要に基づくものでないのみならず、被告らは原告寺の住職や檀徒総代らから、原告寺の復興の必要ということで本件土地の買取方をつよく要請せられた結果、檀徒総代の同意もあり宗務庁の承認も当然得られる旨の言明を信じてその買取に応じたものであり、またそれ故に原告寺も売買と同時に被告らにその占有を許したのである。かかる事情の下において原告が本件売買契約につき管長の承認を欠くという形式上の理由に藉口してその無効を主張しその所有権がなお原告にありとして被告らに対して本件土地の明渡を求めることは、失当であり、それ自体権利の濫用として許されないものというべきである。

三、また仮りに右売買契約が無効であるとしても、別紙第六目録記載の被告らはその記載のような内容の賃借権を有するので本件土地を占有する正当な権原がある。

第三、被告ら訴訟代理人は、本訴及び反訴の請求原因並びに原告の主張に対する反駁として次のとおり陳述した。

一、第一次的請求の原因

(一) 被告らはそれぞれ本件土地を別紙第三目録買受日時らん記載の各日時に原告から買い受けたが、原告はその所有権移転登記をしないのでその各登記手続を求める。もつとも買い受ける際実測の結果坪数に増減を生じた場合はその坪数に応じて代金の不足もしくは支払超過を清算する約束であつたところ、別紙第五目録記載の被告らについては実測の結果同目録記載のとおり坪数が増したため売買代金に不足を生じたから、同被告らは、それら不足金の支払と引換に買受土地の所有権移転登記手続を求めるものである。その他の被告らについてはいずれも実測の結果売買坪数に不足をきたしたので、代金を超過して支払つている。

(二) 本件土地の売買につき所有権移転登記は売買代金支払と引換にされるべきであつたが、売買契約がなされた当時の原告寺住職村上道契および檀徒総代大河原房次郎、黒柳末吉、小倉錠一らは、被告らに対し、右登記をするためには土地の実測および分筆の手続をし、又原告の所属する宗派である曹洞宗主管者の寺有財産処分承認書を登記申請書に添付せねばならず、これらの手続を各売買契約ごとに個別的にすすめるのは煩にたえないので、数十口の売買がまとまつた後にこれを一括して同時に登記をしたいとの申出をしたので被告らもその申出を承諾し、後日に移転登記をうけることとして代金全額の支払を了し、被告らにおいてそれぞれ現在占有している土地の引渡を受けたのである。

(三) 本件売買は原告寺の当時の住職村上道契が原告寺を代表して契約したものであるが、右売買については檀徒総代の同意および宗派主管者の承認があつたから、その契約は有効であり、これを無効とする原告の主張は不当である。

(1)  原告寺は昭和二〇年五月戦災を受け、本堂、庫裡とも全焼したので、終戦後になつて再建復興の必要がおこり、その資金調達について当時の原告寺村上住職は当時の檀徒総代大河原房次郎、黒柳末吉、小倉錠一らと数回にわたつて再建方法を協議したが、終戦直後のこととて檀徒、信徒、篤志家の寄付も当てにすることができないため原告の寺有財産である土地を処分してこれに充てるほかないとし、昭和二一年三月二一日の彼岸会において原告寺有地のうち強制疎開地に指定されていた高円寺五丁目八七〇番地の土地を疎開解除をまつて売却することに協議がまとまり、右三名の総代がその包括的な同意を与えた。そしてその売却については檀徒の総会を開いて衆議にも諮り、右檀徒総代や村上住職は関係者を各戸別に訪問し、右の事情を説明して右土地の買取方を懇請し逐次売却した。なお個々の売買契約についてはその都度村上住職において事前又は直後に総代筆頭大河原房次郎に報告して同意を得た。さらに昭和二三年七月一〇日の施餓鬼会施行の日には大河原ら檀徒総代三名は一致して同日までの寺有地売却に対する同意を再確認するとともに、従前売却済の土地の外さらに一、二〇〇坪ないし一、五〇〇坪を売却することに同意を与えた。

(2)  本件土地の売却は右の同意に基づくものであるが、仮りにそうでないとしても、昭和二五年二月二一日に開かれた檀徒の総会においては同日までになされた原告寺有地の売却について大河原ら当時の檀徒総代三名より包括的な同意が与えられた。又昭和二五年三月二日から同月八日までの期間に大河原ら檀徒総代三名は、村上住職に対し、財産処分承認書下附申請書と題する書面及びこれに添付した承認書と題する書面各約四〇件分、白紙委任状約四〇通を記名捺印して交付したが、その結果村上住職は右書面に売却土地を特定する事項、売却価格等所要事項を記入しさえすれば約四〇件の土地売却につき直ちに宗務庁(管長)に対し土地処分承認の申請手続をしその承認を受けることができた(当時は書類をととのえて提出さえすれば形式的なかしのない限り宗務庁において承認書を下附するのが実情であつた。)のであり、これは右檀徒総代において土地処分の同意があつたことを前提とするものである。

(3)  曹洞宗宗務庁当局は、終戦当時戦災から復興することのできない寺院は廃寺にするという占領軍側の意向が伝えられたところから、そのころ戦災寺院に寺有財産があればこれを処分して復興資金の調達にあててもよい旨宗派所属各寺院に通知した。したがつて原告寺が本件土地を処分するについては宗務庁(管長)から予め包括的な承認を与えられていたものというベきである。

(4)  旧宗教法人令第一一条にいう総代の同意、宗派主管者の承認は要式行為ではない。しかして承認書の作成は所有権移転登記手続の申請書に添付して承認があつたことを証するに必要なためになされるにすぎないから、各売買毎に承認書の下附を受けることなく便宜的にとりまとめてこれを受けることとしても売買契約の効力を左右するものではない。もつとも本件においては村上住職が宗務庁(管長)に前記財産処分承認申請書を提出しようとしていたやさき、たまたま村上住職と檀徒総代との間に紛争が生じ、既存の総代同意書をもつてしては、右申請書を宗務庁(管長)に提出しても檀徒総代からの故障異議の申出があることを慮つて村上住職は昭和二五年暮頃新たに適法に就任した檀徒総代福井熊太郎、島村梅吉、高田基治ら三名の同意を得て昭和二六年三月頃宗務庁(管長)に対し、本件土地を含む寺有地につき処分承認申請書を提出したが、これに対しその後承認書の下附がないままに同年一二月下旬、村上住職は退任し、芳賀達宗が後任として就任したが、そのことは何ら本件売買契約の効力には影響がない。

(四) 仮りに原告主張のように売買につき宗務庁(管長)の承認がないとしても、その承認については村上住職、檀徒総代らは被告らに対し必ずこれを得ることができる旨確言したし、事実一般に寺院が檀徒総代の同意を得て寺有財産を処分する場合に宗務庁(管長)がその承認を拒否した例はなかつたのであつて、被告らは右住職及び檀徒総代の言を全面的に信用して本件土地を買い受けたのであるから、被告らは右売買につき旧宗教法人令第一一条にいう善意無過失の者に該当するので、原告寺は売買の無効をもつて被告らに対抗することができない。

二、第二次的請求の原因

(一) 被告らが原告寺の所有地につき売買契約を締結し代金を支払つて引渡をうけたこと、原告寺は右契約に基づき被告らに対し所有権移転登記手続をすべき義務あること前記のとおりであるところ、仮りに、檀徒総代の同意もしくは宗務庁(管長)の承認又は右同意および承認がなかつたとすると、本件売買は旧宗教法人令第一一条の要件を欠く原告寺の処分行為ということになる。しかし、原告寺の処分行為すなわち売買契約についてその効力は発生しないとしても、その契約に基づき契約の効力を発生せしめるため努力をすべき原告寺の義務はなお存在するというべきである。このように解すべきことは、旧宗教法人令第一一条と同様に農地の所有権移転につき都道府県知事の許可を要し、その許可をうけないでした行為は効力を生じない旨定めている農地法第三条の解釈として裁判例が、同条所定の許可のない売買契約は売買契約として全く効力を有しないというのではなく、その許可を効力発生要件として売買契約をし、或いはその許可を条件として農地の所有権を移転すべきことを約し、或いは契約は成立しその効果としての所有権移転がその許可のない以上発生するに至らないにすぎないと判旨していずれも知事あてに許可申請手続をとることの義務が売主にあることを認めていることからも肯認することができる。しかして、被告らは、原告寺の代表者としての村上道契と売買契約を締結したのであるから、原告寺は宗務庁(主管者)の承認を得るについて必要な手続をとり、その承認を得たうえで被告らに対し所有権移転登記手続をする義務がある。

(二) もし将来原告寺において右承認を得ることができないならば、これを得られないことの結果生ずる損害は原告寺の責に帰すべき事由に基く債務不履行より生じた損害として原告寺において負担しなければならない。蓋し原告寺において承認を得られないのはすべて原告寺の内部紛争に基因するのであり、かつ、売買契約を結んだ当時及びその後暫くの間は宗務庁(管長)の承認も全く形式化しており、契約締結後遅滞なく承認申請手続をとれば例外なく承認を受けることができたからである。もつとも売買契約成立後旧宗教法人令第一一条所定の手続を行つたが不成功に終つた場合にもなお寺に対し履行に代わる損害賠償の義務を負担せしめることは寺有財産の離散を防止せんとする同条の立法趣旨を没却せしめるとの疑いがないでもないけれども、その場合には寺と寺有不動産の買受人とのいずれを保護すべきかの問題に帰着する。しかしてその比較衡量をするに当つては通常買受人は寺を信用して買い受けること、取引の安全が保護されるべきこと、寺の機関の選任等につき寺に過失ありとしてもそれは買受人のぎせいにおいて補われるべきものでないことなどを考慮すべきである。宗教法人法第二三条が善意の第三者を保護していることも参考とすべきである。

(三) ところで右損害額は要するに被告らが買い受けた各土地の時価相当額に外ならず、その土地の所有権を取得できないことによる損害は通常生ずべき損害であるからその全額について賠償の責に任ずべきものというべく、その時価はいずれの土地も本件口頭弁論終結当時一坪当り金二〇、〇〇〇円を下らないから、その内金として一坪当り金五、〇〇〇円の割合によつて算出された別紙第四目録記載の各金員(単価金五、〇〇〇円に同第二目録記載の土地の坪数を乗じたもの)の支払を求める。なお右損害賠償請求は将来の給付の訴であるが、村上住職は昭和二六年一二月に罷免され、現住職は本件売買につき被告らと全く敵対的立場にあり、原告寺の利益をはからんとするあまり当然なすべき義務すら延引しようとする態度が明らかに看取できるのみならず、買受人の一人である被告小柳に対して売買が無効であるとして土地明渡請求の訴を提起しているので予め請求をする必要がある。

(四) よつて、原告に対し、被告らが買い受けた本件土地につき曹洞宗管長に対し承認申請手続をし、その承認を受けたときは各所有権移転登記手続をすること、同管長が、右承認をしないときは被告らに対し別紙第四目録記載の各金員を支払うことを求める。

(五) 仮りに、売買契約自体の効力として右のような損害の賠償を求め得ないとしても、売買契約締結当時の原告寺の村上住職は、被告らと売買契約を締結するに当り、売買についての管長の承認を得る手続一切を右住職において引き受け、被告らに全く迷惑をかけない旨約した。これは原告寺がその代表者を通じ被告らとの間に売買契約の附随契約として売買契約締結と同時に管長の承認を受けること、もし承認を受けられなかつた場合にはそれによつて将来生ずる一切の損害につき賠償の責任を負う旨を特約したのに外ならないから、もし被告らが管長の承認が得られないために本件土地の所有権を取得することができず、したがつてその所有権移転登記を受けられないときは、右特約に基づき本訴においてあらかじめ停止条件付に前記損害の賠償を求める。

三、第三次的請求の原因。

仮りに、宗務庁の承認手続を求める訴はこれを認め得ないとするならば、本件売買契約又は前記特約の効果として前記同様の理由により別紙第四目録記載の金額の損害賠償のみを求める。

(証拠関係)

第一原告

原告訴訟代理人は、証拠として甲第一、第二号証、第三号証の一、二、第四号証の一ないし七八、第五号証の一ないし五四、第六号証の一ないし六、第七号証、第八号証の一ないし三、第九号証の一ないし五、第一〇号証の一ないし四、第一一、第一二号証、第一三号証の一、二、第一四号証の一ないし九、第一五号証の一ないし一〇〇各一、二、第一六号証、第一七号証の一ないし七(同号証の四はさらにその一ないし四)、第一八、第一九号証、第二〇号証の一、二、第二一、第二二号証、第二三号証の一ないし一二、第二四号証の一ないし五〇、第二五号証の一、二を提出し、証人村上道契(第一回)、同黒柳末吉、同小倉錠一、同佐々木泰翁、同大河原幸作(第一、二回)、同小永井正吉の各証言、原告代表者尋問の結果を援用し、乙第三号証の一ないし七、第四号証の一、二、第五号証の一ないし三、第九、第一〇号証、第一二、第一三号証、第二三ないし第二五号証、第三二ないし第三五号証、第四二、第四三号証、第五二号証の各成立は認めるが、乙第一号証の一、二、第一一号証、第三一号証の一の建物関係部分、同号証の二、三、第四七号証の一ないし三の原告関係以外の部分、第四八ないし第五〇号証の各成立は知らない、その余の乙号各証の成立は否認すると述べ、乙第四号証の一、第九号証を利益に援用した。

第二被告ら

被告ら訴訟代理人は、証拠として、乙第一号証の一、二、第二号証の一ないし三、第三号証の一ないし七、第四号証の一、二、第五号証の一ないし三、第六ないし第一三号証、第一四号証の一ないし四、第一五、第一六号証の各一、二、第一七号証の一ないし四、第一八号証の一、二、第一九、第二〇号証の各一ないし四、第二一号証の一ないし三、第二二号証の一、二、第二三ないし第二五号証、第二六号証の一ないし四、第二七号証の一ないし三、第二八号証の一、二、第二九号証の一ないし三、第三〇号証の一ないし五、第三一号証の一ないし三、第三二ないし第三五号証、第三六号証の一ないし八、第三七号証の一ないし六、第三八、第三九号証の各一、二、(第四〇号証は欠号)、第四一ないし第四三号証、第四四ないし第四六号証の各一、二、第四七号証の一ないし三、第四八ないし第五〇号証、第五一号証の一ないし三、第五二号証を提出し、証人村上道契(第一回ないし第三回)、同中根環堂、同小山得潤、同武村秀法、同村上道隆、同村上ちよ、同小川治吉、同(併合前)滝沢政八の各証言、被告本人小柳理三郎(第一、二回)、同高橋通利各尋問の結果を援用し、甲第三号証の一、二、第四号証の一ないし七八、第五号証の一ないし五四、第六号証の一ないし六、第七号証、第一四号証の一ないし九、第一六号証、第二一、二二号証、第二三号証の一ないし一二、第二四号証の一ないし五〇、第二五号証の一、二の各成立は認めるが、その余の甲号各証の成立は知らないと述べ、甲第四号証の一ないし七八、第五号証の一ないし五四、第六号証の一ないし六を利益に援用した。

理由

第一原告の被告小柳に対する本訴請求並びにその余の被告らに対する反訴請求について。

一、別紙第二目録(一)ないし(二十三)記載の各土地がもと原告寺の所有であつたことは当事者間に争がなく、被告らは原告寺より右土地をそれぞれ買い受けてその所有権を取得した旨主張し、原告はこれを否定するのでまずその主張の当否について判断する。

二、別紙第三目録買受土地らん記載の各土地(本件土地)について、同目録買受日時らん記載の日時頃、当時原告寺の住職であつた村上道契を代表者とする原告寺と被告らとの間に売買契約(以下本件売買契約という。)が結ばれたことは当事者間に争がない。しかして証人村上道契(第一回ないし第三回)、同小川治吉、同(併合前)滝沢政八の各証言、被告本人小柳理三郎、同高橋通利各尋問の結果と証人村上道契(第三回)の証言により成立を認めうる乙第二号証の一ないし三、第一四号証の一ないし四、第一五、第一六号証の各一、二、第一七号証の一ないし四、第一八号証の一、二、第一九、第二〇号証の各一ないし四、第二一号証の一ないし三、第二二号証の一、二、第二六号証の一ないし四、第二七号証の一ないし三、第二八号証の一、二、第二九号証の一ないし三、第三〇号証の一ないし五、第三一号証の一ないし三、第三六号証の一ないし八、第三七号証の一ないし六、第三八、第三九号証の各一、二、第四一号証、第四四ないし第四六号証の各一、二によると、被告らは右売買契約締結の際後に実測の結果坪数に増減を生じた場合にはこれに応じて代金を清算するという約束で一応暫定的な坪数と坪当り単価によつて算出された代命の支払を了し、原告寺から各土地の引渡を受けたことを認めることができる。

三、原告は、村上住職が被告らとの間に結んだ右売買契約は檀徒総代の同意及び宗派主管者の承認がないので無効であると主張する。旧宗教法人令第一一条第一項は、神社、寺院、教会がその所有する不動産等を処分し、又は担保に供する場合には総代の同意を得ることを要し、当該寺院等が宗派、教派、教団等に属するときは当該宗派等の主管者の承認を受けることを要する旨規定し、さらに同条第二項は、第一項の同意又は承認を受けない処分行為に無効とする旨規定しているが、これは宗教法人の有する特殊な性格にかんがみ、これに属する財産の保全をはかり可及的にその散逸を防止するためその処分を主管者(寺院の場合は住職)単独の意思にのみ委ねずに檀徒信徒の利益の代表者である総代及び宗派等所属寺院等の場合には監督者の立場にある宗派等主管者の同意ないし承認を受けることを要するとしたものであり、その強行規定であることは明らかである。しかして原告寺が曹洞宗に属する寺院であることは当事者間に争がないから、本件売買契約についても原告寺の檀徒総代の同意及び曹洞宗の主管者である同宗管長の承認がその有効要件であつてそのいずれかが欠ければ無効と解しなければならない。そこで果して本件売買契約に右同意及び承認があつたかどうかについて次に当事者間に争のない事実及び証拠に基づいて判断する。

四、檀徒総代の同意について、

(一)  原告寺が昭和二〇年四、五月頃、二回にわたる戦災によつて神楽堂を残して焼失し、当時原告寺の住職であつた村上道契と大河原房次郎ら檀徒総代とがその再建復興について協議をしたことは当事者間に争がない。証人村上道契、同村上ちよ、同小倉錠一、同(併合前)滝沢政八の各証言、成立に争のない甲第四号証の一ないし七八、第五号証の一ないし五四、第六号証の一ないし六、第一四号証の一ないし九、乙第四号証の一、二、第五号証の一ないし三、証人村上道契の証言(第三回)により成立を認めうる甲第一〇号証の一ないし四、第四八ないし第五〇号証、同証人の証言(第一回)により成立を認めうる甲第六号証、第八号証を綜合すると、村上住職は昭和二〇年一月に出征し、同年一〇月に復員したが、復員直後から当時原告寺の檀徒総代であつた大河原房次郎、小倉錠吉、黒柳末吉らと原告寺の復興について協議を始め、昭和二一年三月頃には右総代らと協議のうえその代金を仮本堂等の再建資金に充てるためにさしあたつて戦時中に強制疎開地として指定された約六〇〇坪の原告寺有地を指定解除後売却処分することを決め、昭和二一年八月ごろには仮本堂庫裡の建築を開始すると時期を同じくして同年九月ごろから被告らの一部と本件土地の一部につき売買契約を結び(買い受けた被告らの氏名及び売買契約の日時は別紙第三目録記載のとおり)、代金授受、土地の引渡を了したこと、その後前記疎開指定地の売却代金のみでは建築資金の不足を来すにいたつたので村上住職は被告らの一部と右以外の寺有地についても漸次売買契約を結び、代金授受、土地引渡を了したが、右売却地の多くはすでに買受人に対し原告寺において賃貸中のものであつたこと、大河原房次郎ら三名の檀徒総代は、昭和二三年七月一〇日の原告寺における施餓鬼会に集つた際、原告寺の再建資金調達を目的とする前記もと疎開地約六〇〇坪の売却についての同意を再確認するとともに、なお建築資金に不足がある場合における右以外の寺有地売却についても同意をしたこと、昭和二五年二月二一日大河原房次郎ら檀徒総代三名の外檀徒数名が集つて檀徒総会、檀徒総代会と称する会合が開かれ、その席上昭和二三年七月一〇日に檀徒総代によつて与えられた寺有地約六〇〇坪の処分の同意を再確認するとともに、それ以後再建資金調達のため売却した土地についても事後的にその売却の同意を与えることなどの事項を決議し、その直後右檀徒総代らは財産処分承認書下附申請、承諾書と題する書面及び白紙委任状各約一〇〇通にそれぞれ記名捺印してこれを村上住職に交付したこと、同年三月一〇日ごろには同じく原告寺の仮本堂等再建資金調達のため原告寺有地の一部に抵当権を設定して杉並信用組合より金二〇〇、〇〇〇円を借り入れることとして大河原房次郎ら檀徒総代の同意を得たうえ村上住職が曹洞宗管長に対して承認方を申請し、その承認を得、右融資を受けたこと、しかるにその頃檀徒の一部が昭和二五年二月二一日の会合には村上住職の不正な策略があると主張して騒ぎ出し、大河原房次郎ら檀徒総代はこれに応じてさきに記名捺印して村上住職に交付した財産処分承認書下附申請、承諾書、白紙委任状の返還を要求し、その大部分の返還を受けたこと、昭和二五年九月二三日、原告寺の檀徒大多数が集まつて総会が開かれたが、出席した村上住職が本件土地の売却は檀徒総代の同意を得ないで独断で行つた旨言明したところから出席檀徒の間に村上住職不信の声が高まり、右総会において同年二月二一日の檀徒総会と称する会合における決議は無効であるとの決議をするとともにその直後から同住職の排斥運動が起つたことを認めることができる。証人黒柳末吉同大河原幸作(第一、二回)の各証言のうち右認定に反する部分は直ちに措信しがたい、その他に右認定を左右するに足る証拠はない。

(二)  前項の認定事実によれば、大河原房次郎ら三名の檀徒総代は原告寺有地の一部を売却処分してその代金をもつて仮本堂、庫裡の再建資金に充てたいという村上住職の希望に早くから賛意を表していたが、村上住職はどの土地を誰に売るという個々の売買契約についてまでは一々檀徒総代の同意を求めなかつたこと、しかし大河原ら檀徒総代はもと疎開指定地の寺有地及びそれ以外でも仮本堂、庫裡の再建費用の不足を補うために必要な範囲の寺有地の処分について包括的に同意を与えていたのであり、又あらかじめの同意なくして売却された分についても事後的に同意を与えたことをうかゞうことができるのである。もつとも原告は、昭和二五年二月二一日の檀徒総会総代会は村上住職において檀徒のうち少数の者にしか開会の通知をしなかつたのみならず同人の友人にすぎない僧侶を曹洞宗宗務庁の代表者と偽つて紹介するなどの不正行為があつたし、又檀徒ではない二、三の人物が決議に参加しているなどのこともあつたので、その際になされた前記内容の決議は無効である旨主張し、これに副う証人の証言もあるけれども、これに反する証拠も存在するので果して原告主張のような村上住職の詐欺的行為があつたか否かは直ちに断定しがたいところであり、仮りに原告主張の事実がすべてそのとおりであり、大河原房次郎ら檀徒総代がそのような事実を知らぬまま右決議に賛意を表したものであるとしても、原告の指摘するような事実は檀徒総会の決議という檀徒全体の有効な意思表示の成立を疑わしめるのはともかく、その際に集まつた檀徒総代三名が原告寺の再建資金調達の目的のために寺有地を処分することについて同意を与える旨の意思表示をした(前掲乙第六号証によると同日の会合は檀徒総会と檀徒総代会とをかねて開かれたことがうかゞわれる。)ことは否定し得るものではなく、又仮りに大河原房次郎らが右のような同意を与えるについて原告主張の如き虚偽の事実が何らかの影響を与えた事実があつたとしても、大河原らは前記の如く原告寺の再建のため寺有地を売却して必要な資金を取得するという基本的な方針そのものについては当初から賛成していたものであり、右総代会における同意の対象事項は何ら右の基本構想に反するものではないから、原告主張の如き事実が大河原らの同意の意思決定に対して決定的役割を果したものとはとうてい認めがたい。要するに檀徒総代大河原らの同意の意思表示の効力は原告主張のような事実によつては何ら影響を受けないものと解すべきである。

(三)  原告は、旧宗教法人令第一一条第一項にいう総代の同意は書面による要式行為であるから本件において仮りに大河原らの同意の意思表示があるとしても書面によるものでない以上無効であると主張するが、旧宗教法人令には右同意をもつてとくに書面による要式行為とする規定は存しないし、又原告主張のように曹洞宗の宗規が財産の処分につき管長の承認を求めるには財産処分承認申請書に檀徒総代の記名捺印のある同意書を添付すべきものとしているとしても、右同意書は主管者が処分を承認する前提として檀徒総代の同意があることを明確ならしめるために提出を求めるものにすぎないと解せられるから、檀徒総代の同意が必ず書面によらなければならぬことの根拠とすることはできない。また原告は、檀徒総代による同意は個別的かつ特定的になされなければならならないと主張するが前記認定の如き売却すべき土地の範囲を定めて包括的に同意を与えることを無効と解さなければならない理由はない。

(四)  なお本件売買契約の一部については前記認定のとおり檀徒総代による事前の同意はなく、事後に同意が与えられたにすぎないが、右檀徒総代の同意は必ずしも事前に与えられなければならないわけではなく、事後に与えられた場合においてもなお有効な同意があつたものと解するのが相当である。

五、宗派主管者の承認について。

(一)  証人村上道契(第一回ないし第三回)、同小山得潤、同大河原幸作(第一、二回)、同小永井正吉の各証言、証人大河原幸作(第一回)の証言により成立を認めうる甲第八号証の一ないし三によると、村上住職は本件売買契約については事後において一括して曹洞宗管長の承認を受けるつもりであらかじめ個々の売買契約について承認の申請をしなかつたこと、前述のとおり檀徒の間に村上住職排斥運動が起つて後、昭和二五年一二月頃、村上住職は大河原房次郎ら三名は檀徒総代としての任期が終了したものとして新たに福井熊太郎、島村梅吉、高田基治ら三名を檀徒総代に選任し、右檀徒総代らからも本件土地の売却につきあらためて同意を得たうえその同意書を添えて昭和二六年三月頃曹洞宗管長に対し宗制所定の様式により財産処分承認申請書を提出したこと、右申請に対しては応答がされぬまま同年七月頃同宗宗務庁庶務部長は村上住職に対し分限停止二年間の懲戒処分をし、さらに同宗審判会は同年一二月、村上住職の異議申立を棄却する旨の審判決定をしたので、村上住職は止むなく自発的に原告寺住職を辞任するにいたつたことを認めることができる。しかして右事実によれば、本件売買契約につき事前に管長の承認がなかつたことが明らかであるが、証人村上道契(第一回ないし第三回)、同小川治吉、同(併合前)滝沢政八の各証言及び被告本人小柳理三郎尋問の結果によると、村上住職が被告らと本件売買契約を締結するにあたつては双方とも近い将来において管長の承認を受くべきことを予定し、村上住職においてそれに必要な申請手続をとることを確約していたことが認められるから、本件売買契約は管長による承認と無関係にその効力を生ぜしめる趣旨ではなく、管長による承認を予定し、これを停止条件としてその効力を生ぜしめる趣旨であつたと解するのが相当である。そしてかかる停止条件附売買契約を無効と解さなければならない理由はない。

(二)  ところで文書の体裁によつて成立を認めうる甲第一号証と弁論の全趣旨によると、曹洞宗管長は村上住職よりなされた前記財産処分申請につき本件口頭弁論の終結時にいたるまで何ら諾否の意思表示をしていないことが認められる。被告らは、曹洞宗宗務庁当局は終戦後間もなく宗派所属寺院に対し戦災寺院で寺有財産のあるものはこれを処分して復興資金の調達にあててもよい旨の通知をしたので原告寺が本件土地を処分するについては管長から予め包括的な承認を与えられていたものであると主張し、かような趣旨の通知が出されたことは証人村上道契(第一回)、同中根環堂の各証言によつて認められるところであるが、旧宗教法人令第一一条が寺院等の不動産の処分につき宗派主管者等の承認を効力要件とする趣旨は、前述のとおり宗教法人所属の財産の保全をはかり、可及的にその散逸を防止せんとするにあり、したがつて、その承認はできる限り個々的になされるべく、上記通知内容の如く承認の対象を全く特定しない一般的な承認は許されないものであることを考えると、右曹洞宗宗務庁当局の発した通知は、これを所属寺院に対し財産処分について予め包括的に承認を与えたものと解すべきではなく、むしろ各寺院からの個別的申請に対してそれが上記要件を具えるものであれば原則として承認を与うべき旨の一般的方針を示したものにすぎないと解するのが相当である。したがつて、右通知により上記規定にいう「宗派主管者の承認」があつたものとすることはできない。もつとも証人佐々木泰翁、同中根環堂、同村上道隆の各証言によると、当時曹洞宗管長は所属寺院から寺有財産処分の承認申請があつた場合には形式的不備のある場合以外はほとんど例外なくこれに承認を与えていたことがうかがわれ、この事実と村上住職のなした承認申請に対し管長が不承認の意思表示をすることなく約九年間も放置している事実とを合せると、右申請に対して暗黙の承認があつたものと解すべきであるとの議論がなされるかもしれないが、上記認定の如く原告寺においては住職と檀徒らとの間に紛争があり、檀徒による住職の排斥運動、右住職による檀徒総代の改任、住職の懲戒その辞任等の一連の事件が発生していること、新住職を代表者とする原告寺が旧住職のした本件契約の締結、新檀徒総代の選任その他の行為の効力を認めず、したがつて又右申請書の効力をも否認する態度を一貫してとり続けていること、前掲甲第一〇号証の三、四によれば村上住職の懲戒処分について曹洞宗審判会の審判決定書と同住職が新たに選任した総代は公認されていない旨の記戦があること等の事実を合せると、むしろ曹洞宗宗務庁当局においては、村上住職のした申請手続の効力に疑問を抱き、他面原告寺の態度をも考慮して、なお事態推移を見守りつつ前記申請に対する管長の決定を留保しているものと推認せられるのであつて、上記の如き事実のみに基づいて管長による暗黙の承認があつたものと認めることはできない。

六、右のとおりであるから、本件売買契約に付せられた停止条件は右契約の効力の発生を管長の承認にかからしめる部分に関する限りまだ成就していないものというべく、本件売買契約はまたその効力を発生するにいたつていないものといわなければならない。したがつて、被告らが原告寺から本件土地の所有権を取得した旨の被告らの主張は理由がない。(なお被告らは、管長の承認がなされるものであると過失なくして信じて本件土地を買い受けたのであるから、旧宗教法人令第一一条により右売買契約の無効を以て被告らに対抗しえないと主張するが、本件売買契約は無条件の売買契約ではなく、檀徒総代の同意及び管長の承認を停止条件とするものであり、被告らももとよりこれを承知していたものであることは上記認定のとおりであるから、被告らの右主張が無条件の売買契約として有効であることを被告らにおいて主張しうるという趣旨であるとすれば、その理由のないことは明らかである。)

七、しかしながら、原告寺がその代表者である村上住職を通じて本件売買契約を結んだことは前記のとおり当事者間に争がなく、被告らが右売買契約締結後それぞれ原告から本件土地の引渡を受けたこと(但し被告らのうち従前原告から該土地を賃借していた者を除く。)、右売買契約については檀徒総代の同意があつたこと、及びこれに対する管長の承認は未だなされてはいないが、本件契約は管長の承認を停止条件とするものであり、近く右承認が行われることを予定していたものであることは、すでに認定したところである。そしてかかる事実関係に徴するときは、本件土地の被告らへの引渡(賃借権を有する被告らについては契約の締結)は、早晩被告らが名実ともに所有権者となるべきことを予定してなされたものであり、したがつて右契約の解除又は万一管長の不承認による契約の失効というが如き特段の事態が生じない限り、原告は被告らに本件土地の返還を求めず、あたかも所有権者と同様にその無償使用を許す趣旨であつたと認めるのが相当である。そうだとすれば、被告らの本件土地の占有は正当の権原に基づくものであり、原告は所有権に基づいてその明渡を求めることができないといわなければならない(本件において被告らは、右の如き約定に基づく使用権を明示的には主張せず、権利濫用の抗弁の理由として主張するにとどまつているが、被告らの主張の真意は、要するに上記の如き事実関係に基づく被告らの本件土地の占有は原告に対する関係において正当づけらるべきものであるというにあると考えられるから、被告らにつき上記約定による使用権を認めて原告の明渡請求権を否定することも許されないことではないと考える。)。

八、以上のとおりであるから、被告らが本件土地につき権原なくしてこれを占有していることを理由とする原告の被告小柳に対する本訴請求及びその余の被告らに対する反訴請求はいずれも理由がないものというべく、棄却を免れない。

第二、被告らの原告に対する第一次的本訴請求について。

原告と被告らとの間に本件土地について別紙第三目録買受日時らん記載の日時にそれぞれ売買契約が結ばれたことは当事者間に争がないが、右売買契約は檀徒総代の同意及び曹洞宗管長の承認があることをその効力発生の停止条件としていること、そして少くとも曹洞宗管長が原告の本件処分に対しその承認をするかしないかにつき何らの意思表示をもしないためにその条件の成就がなお未定の状態にあることはいずれも前記認定のとおりであるから、本件売買契約の効力が発生したことを理由として被告らに対し本件土地についての所有推移転登記手続を請求する被告らの原告に対する第一次的本訴請求は理由のないことが明らかであり、棄却を免れない。

第三、被告らの原告に対する第二次的本訴請求について。

一、本件土地につき曹洞宗管長に対し財産処分承認申請手続をすべきことを求める請求について。

証人村上道契(第一、二回)、同村上ちよ、小川治吉、同(併合前)滝沢政八の各証言、被告本人小柳理三郎(第一、二回)、同高橋通利の各供述及び弁論の全趣旨を綜合すると、村上住職が原告寺を代表して本件土地につき被告らと前述のような停止条件付売買契約を結ぶに当り、村上住職は被告らとの売買契約がある程度まとまつたときは遅滞なく一括して曹洞宗宗制の定める方式にしたがつて管長に財産処分の承認を申請し、その承認を得るよう努めることを約したことが認められるので、原告は本件土地の売買につき管長に対して右宗制の方式に則つて財産処分承認申請手続をする義務を負つたものということができる。

ところで、村上道契が自己の選任した檀徒総代の同意書を添えて曹洞宗管長に対し、本件土地の被告らに対する売却について承認を求める旨の申請書を提出したことはさきに認定したとおりであるから、これを以て原告が右義務を履行したといえるかどうかを考えるに(本件において原告は右義務の履行の事実を主張していないが、被告ら自身はみずから右申請書提出の事実を主張しているので、原告の主張がなくとも、裁判所としてはこれをしんしやくしうべく、又しんしやくすべきものである。)、前示のように、原告が一貫して前住職村上道契のした本件契約の締結その他の行為の効力を否認し、同住職による前記総代の選任及び右新総代の同意書を添付した処分承認申請書の効力をも認めていない態度をとつていること、及び曹洞宗宗務庁当局においても、右後任総代の選任の当否、従つてこれが関与のもとになされた右申請の適法性に疑問を抱き、他方原告寺の態度をも考慮して、なお事態の推移を見守りつつ右申請書に対し諾否の決定をすべきかどうかにつき態度の決定を留保していると推認せられることを合わせ考えると、村上住職のした前記申請手続を以て原告に契約の趣旨に従つた義務の履行ありといいうるかどうかは疑問とせざるを得ず、むしろ右の如き事情の下においては、原告において右申請の却下その他曹洞宗管長によるなんらかの決定をまつまでもなく、改めてその適法性に疑問の余地のない申請手続をとり、管長に対して処分に対する承認を求めることが契約当事者間における信義誠実の原則の上からも要求されるものと解するのが相当である。そして原告が右申請手続をとり、これに対して管長による承認がなされ、本件契約の停止条件が成就したときは、原告において被告らに対し、本件土地につき、別紙第五目録記載の被告らについては特約に基づき実測の結果判明した不足分の代金(同目録不足額らん記載の各金員)を支払うと引換えに別紙第三目録買受日時らん記載の各日付の売買を原因とする所有推移転登記手続をなすべき義務があることは明らかであり、原告が本訴において本件売買契約を無効と主張し、被告小柳に対しては本訴請求として、その余の被告らに対しては反訴請求として本件土地の各明渡を求めている事実に照らせば、被告らにおいて上記停止条件の成就するのを待つまでもなく、あらかじめこれを条件とする将来の請求として右登記手続義務の履行を求める利益があるものというべきである。よつて被告らの第二次的請求中原告に対し承認申請手続及び管長の承認を条件として所有権移転手続の履行を求める部分は、正当として認容さるべきである。

二、曹洞宗管長が本件土地の被告らに対する売却につき承認しないことを停止条件とする損害賠償の請求について。

(一)  債務不履行を原因とする損害賠償請求について。

村上住職が被告らと本件売買契約を結ぶに当り、被告らに対し、本件土地の売買につき遅滞なく曹洞宗管長に宗制に則り財産処分承認申請手続をしてその承認を得るようつとめる旨を特約しその義務を負つたことはすでに認定したとおりであるが、仮りに原告がその責に帰すべき事由により右義務を完全に果さなかつたために管長の不承認という結果が生ずるようなことがあれば、原告はそれによつて買受人である被告らの受ける損害賠償の責を負うべきことは当然であろう。被告らは、もし将来において管長が本件土他の売買を承認しないとすれば、それは結局は原告寺の内部紛争に基因するものであり、かつ原告が当初の約旨のとおり本件売買の当時遅滞なく承認申請の手続をしなかつたために外ならないから、管長の承認を得られないために生じた被告らの損害は原告がその賠償の責に任ずべきであると主張する。なるほど証人佐々木泰翁、同中根環堂、同村上道隆の各証言によると、本件売買契約が結ばれた当時において曹洞宗管長は所属寺院から寺有財産処分の承認申請があつた場合には形式的な不備のある場合の外ほとんど例外なくこれに承認を与えていたことがうかがわれるので、もし原告がその当時直ちに承認申請の手続をしていれば申請が適式である限り多分承認が与えられたであろうことは一応想像されないことではない。けれどもそれはあくまで憶測の範囲にとどまるものであるし、将来もし管長が本件土地の被告らへの売却について最終的に同意を与えないとしても、それがいかなる理由によるものであるか、はたして被告ら主張のようにもつぱら原告寺が遅滞なく承認申請の手続をしなかつたことに原因があるかどうかということは管長の決定があつてはじめて判明することであり、そのような決定のない現在においてはまだこれを確定することはできないのである。しかして将来の給付の訴は請求権の発生が条件にかかる場合であつても許されるが、少くともその基礎となる権利関係が存在し、かつその内容が明確であることを要すると解すべきであり、本件において被告らが原告に対してはたして債務不履行による損害賠償請求権を取得するか否かは管長が本件土地の処分を承認しない旨の決定をしたとき、すなわち被告らのいう停止条件が成就したときにはじめて確定しうるのであるから、被告らとしてはその時においてあらためて原告の債務不履行の有無、それと結果発生の因果関係等を検討して損害賠償請求をするほかはないのであり、今の段階においては将来の給付の訴を提起しうる要件を欠いているものといわなければならない。結局において管長の不承認を停止条件として将来の損害賠償を請求する被告らの請求は不適法として却下を免れない。

(二)  特約を原因とする損害賠償の請求について。

被告らは、仮りに債務不履行を原因とする損害賠償の請求は理由がないとしても、本件売買契約を結ぶにあたり原告寺村上住職は管長の承認を受けられない場合にはそれによつて生ずる損害全部について賠償責任を負う旨を特約したと主張する。被告本人高橋通利、同小柳理三郎(第一、二回)の各供述によると、村上住職が原告寺を代表して被告らと本件売買契約を結んだ際、同人は宗務庁(管長のこと)に対する処分承認申請手続は同人においてこれを行い、買主に迷惑をかけないという趣旨のことを述べたことがうかがわれるが、なお右証拠を仔細に検討しさらに弁論の全趣旨を参酌すると、村上住職の右言明は本件売買についてはまだ宗務庁(管長)の承認を得ていないがいずれ一括して間違いなく処分承認申請手続をするつもりであり、宗務庁(管長)では例外なく承認を与える方針であるから決して買主に迷惑をかけるようなことはないはずだという趣旨のものであつたことが認められるのであり、管長の不承認が原告の債務不履行による結果であると否とにかかわらず不承認によつて被告らの受ける損害について賠償責任を負うという趣旨の特約をしたものであるとは認めがたい、その他に村上住職が被告ら主張のような特約をしたことを認めるに足る証拠は存在しない。したがつて、村上住職がかような特約をしたことを理由に原告に対し管長の不承認を停止条件として本件土地の本件口頭弁論終結当時における時価相当額の損害の一部につき賠償を求める被告らの請求(都市及びその周辺の土地の価格は将来謄貴することはあつても下る見込のないことは公知の事実であるから、本件口頭弁論終結当時における時価を損害としてその一部の賠償を求める右請求は将来の給付の訴としての要件を一応具えているといえる。)は、結局において理由がないものといわなければならず、これを棄却すべきである。

第四、よつて被告らの原告に対する本訴請求の一部はこれを認容、一部はこれを却下、その余の部分はこれを棄却し、原告の被告小柳に対する本訴請求及び他の被告らに対する反訴請求はいずれもこれを棄却することとし、訴訟費用は民事訴訟法第九二条、第九三条第一項本文を適用して本訴並びに反訴の費用を二分し、その一を原告に、その余を被告らにそれぞれ負担せしめることとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 浅沼武 中村治朗 小中信幸)

第一目録

(被告小柳所有)

(一) 東京都杉並区高円寺五丁目八五二番地所在

家屋番号同町二三〇番の四

一、木造瓦葺平家建居宅一棟

建坪一五坪(公簿上)(実測一七坪六合八勺四才)のうち北側の一三坪六合六勺二才五

(別紙図面のとおり〈省略〉)

(被告中村所有)

(二) 同所五丁目八八〇番地の一所在

家屋番号同町八八〇番の二

一、木造瓦葺平家建居宅一棟

建坪二三坪二合五勺

(被告村樫所有)

(三) 同所所在

家屋番号同町一九四番の四

一、木造瓦葺二階建居宅一棟

建坪二四坪七合五勺、二階五坪

付属

一、木造板葺平家物置一棟

建坪二坪五合

(四) 欠

(五) 欠

(被告森所有)

(六) 同所所在

家屋番号同町一六七番の六

一、木造板葺平家居宅一棟

建坪九坪

(七) 欠

(八) 欠

(九) 欠

(被告金井所有)

(一〇) 同所所在

家屋番号同町一六七番の四

一、木造セメント瓦葺平家建居宅一棟

建坪九坪五合

(被告大槻所有)

(一一) 同所所在

家屋番号同町一九四番の三

一、木造亜鉛葺平家建居宅一棟

建坪二四坪五合九勺

(被告野本所有)

(一二) 同所所在

家屋番号同町一六七番の七

一、木造瓦葺平家建居宅一棟

建坪五坪三合七勺五才

(被告北条所有)

(一三) 同所所在

家屋番号同町一九四番の六

一、木造瓦葺平家建居宅一棟

建坪一二坪五合

(一四) 欠

(一五) 欠

(被告降矢所有)

(一六) 同所五丁目八七一番地の一所在

家屋番号同町五三七番の二

一、木造亜鉛葺平家建居宅一棟

建坪六坪

(被告岩内所有)

(一七) 同所五丁目八八〇番地の一所在

家屋番号同町一九三番の二

一、木造瓦葺平家建居宅一棟

建坪一一坪

(被告高橋所有)

(一八) 同所所在

家屋番号なし

一、木造トタン葺平家建堀立物置一棟

建坪三坪

(被告滝沢所有)

(一九) 同所五丁目八七九番地所在

家屋番号なし

一、木造板葺平家建居宅一棟

建坪二五坪五合

(二〇) 欠

(被告大里所有)

(二一) 同所五丁目八八〇番地所在

家屋番号なし

一、木造セメント瓦葺平家建居宅一棟

建坪七坪

(被告朝倉所有)

(二二) 同所五丁目八五二番地の一所在

家屋番号同町八五二番の三

一、木造セメント瓦葺平家建居宅一棟

建坪一四坪六合六勺

(二三) 欠

第二目録(別紙図面参照〈省略〉)

(被告小柳占有)

(一) 東京都杉並区高円寺五丁目八五二番地の一

一、宅地九七七坪六合のうち北側の部分二六坪八合一勺六才

(被告中村占有)

(二) 同所五丁目八八〇番地の一

一、宅地一四九九坪六合のうち一九五坪九合

(被告村樫占有)

(三) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち一〇二坪五合七勺

(被告豊田占有)

(四) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち五二坪

(被告稲垣占有)

(五) 同所五丁目八八〇番地の二

一、宅地一五二坪九合一勺

(被告森占有)

(六) 同所五丁目八八〇番地の一

一、宅地一四九九坪六合のうち四七坪八合六勺

(被告青木占有)

(七) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち(イ)五二坪及び(ロ)四二坪

(被告佐々木占有)

(八) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち四二坪三合

(被告栗島占有)

(九) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち三四坪八合六勺

(被告金井占有)

(一〇) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち二五坪三勺五才

(被告大槻占有)

(一一) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち五三坪

(被告野本占有)

(一二) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち三〇坪

(被告北条占有)

(一三) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち六〇坪

(被告若木占有)

(一四) 同所五丁目八七〇番地の三

一、宅地一三一坪のうち一〇〇坪

(被告宮田占有)

(一五) 同所五丁目八七〇番地の一

一、宅地二六七坪二合七勺のうち六七坪三勺

(被告降矢占有)

(一六) 同所

一、宅地二六七坪二合七勺のうち五六坪五合

(被告岩内占有)

(一七) 同所五丁目八八〇番地の一

一、宅地一四九九坪六合のうち九〇坪

(被告高橋占有)

(一八) 同所

一、宅地一四九九坪六合のうち七一坪二合

(被告滝沢占有)

(一九) 同所五丁目八七九番地

一、宅地一五八坪三合四勺のうち八五坪七合八勺

(被告鈴木占有)

(二〇) 同所五丁目八四九番地の二

一、寺院境内地四畝一九歩のうち三〇坪

(被告大里占有)

(二一) 同所五丁目八八〇番地の一

一、宅地一四九九坪六合のうち一一八坪一合

(被告朝倉占有)

(二二) 同所五丁目八五二番地の一

一、宅地九七七坪六合のうち三五坪三合五勺

(被告桑原占有)

(二三) 同所

一、宅地九七七坪六合のうち六五坪

第三目録

表〈省略〉

第四目録

中村義馬  九七九、五〇〇(円)

村樫東一  五一二、八五〇

豊田鋼郎  二六〇、〇〇〇

稲垣[金章] 七六四、五〇〇

森柳次郎  二三九、三〇〇

青木光重  二六〇、〇〇〇

(ただし第二目記載(七)の土地のうち五十三坪分)

佐々木秀雄 二一一、五〇〇

栗島宏   一七四、三〇〇

金井新平  一二六、七五〇

大槻清一  二六五、〇〇〇

野本春次  一五〇、〇〇〇

北条文七  三〇〇、〇〇〇

若木武男  五〇〇、〇〇〇

宮田勝蔵  三三六、五〇〇

降矢勝   二八二、五〇〇

大里米太郎 五九〇、五〇〇

朝倉博吉  一七六、七五〇

桑原保   三二五、〇〇〇

岩内勇   四五〇、〇〇〇

高橋通利  三五一、〇〇〇

青木光重  二一〇、〇〇〇

(ただし第二目録記載(七)の土地のうち四十二坪に対する分)

滝沢政八  四二八、九〇〇

小柳理三郎 三三六、六〇〇

鈴木三郎  一五〇、〇〇〇

第五目録

表〈省略〉

第六目録

高円寺々有地に対し借地権を有しながら其の土地を買受けたる者の一覧表〈省略〉

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