大判例

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東京地方裁判所 昭和40年(ワ)10707号 判決

原告 株式会社日本産業研究所

被告 平岡道子

主文

本件訴は、昭和四一年一月一四日午前一〇時の最初になすべき口頭弁論の期日に、原告の不出頭に基づく異議の取下によつて終了した。

昭和四一年三月四日付をもつてなした原告の口頭弁論期日指定申立後の訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は、昭和四一年三月四日付書面をもつて本件につき口頭弁論期日の指定を求める旨申し立て、その事由として陳述した事実の要旨は、原告は東京地方裁判所昭和四〇年(リ)第一九六号有体動産競売売得金配当事件について作成された配当表に関し異議を申し立てたところ、右配当異議の訴における同四一年一月一四日午前一〇時の最初になすべき口頭弁論期日に出頭しなかつたため民事訴訟法第六三七条の規定により異議の申立は取り下げたものと看做された。しかしながら、原告に対する上記口頭弁論期日の呼出は公示送達によつたものであり、原告は過失なくして呼出が公示送達されたことを知らなかつたのであるから、同法第一五九条に則り右期日の追完を求め、ここに新期日指定の申立をする、というのである。

被告訴訟代理人は、原告の本件申立について意見はない、と述べた。

当裁判所は弁論を本件訴訟が既に終了したか否かの点に制限した。

理由

本件記録によれば、本件配当異議事件については昭和四〇年一二月一一日その最初の口頭弁論期日が同四一年一月一四日午前一〇時と指定され、同口頭弁論期日呼出状は原告には同年一月五日、また被告には同四〇年一二月一五日それぞれ送達されたこと、原告に対する右呼出状は当初原告に対する郵便による送達が転居先不明として不能に帰し、かつ当時原告会社代表者の資格証明書も提出されていなかつたことから公示送達によつたものであること、しかして原告は叙上の同四一年一月一四日午前一〇時の期日に出頭しなかつたため民事訴訟法第六三七条の規定により原告が異議の申立を取り下げたものと看做され、これによつて異議がなかつたことに擬制されて、本件配当異議の訴は目的の消滅により当然に終了したとして処理されたことは明らかである。

ところで、原告は、右昭和四一年一月一四日午前一〇時の呼出が公示送達されたことを過失なくして知らなかつたから追完の規定に則り期日指定の申立をすると主張する。しかしながら訴訟行為の追完は民事訴訟法第一五九条の定むるところにより不変期間を遵守することができなかつた場合に限り認められるべきであり、期日の懈怠については破産法第二八八条のように特別に規定の存する場合を除いて、これが追完は許されないところといわねばならぬ。

してみれば、原告の本件口頭弁論期日指定の申立はその前提において失当であり、従つてその余の判断を俟つまでもなく、本件配当異議の訴は昭和四一年一月一四日午前一〇時の最初になすべき口頭弁論の期日に原告の不出頭に基づく異議の取下によつて終了したものというべきである。

よつて、当裁判所は本件訴訟は右の如くして終了した旨の終局判決をなすべきものとし、なお原告の期日指定申立後に生じた訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条、第九五条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 中田四郎)

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