大判例

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東京地方裁判所 昭和46年(特わ)1403号 判決

被告人

本籍

東京都文京区千駄木二丁目一七〇番地

住居

同区千駄木二丁目三一番七号

職業

会社役員

池尻茂

大正五年五月一七日生

被告事件

所得税法違反

出席検察官

宮本喜光

主文

1  被告人を懲役一〇月および罰金三、五〇〇万円に処する。

2  右罰金を完納することができないときは一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

3  この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、東京都文京区千駄木二丁目三一番七号において、池尻電機産業社の名称で、音響部品の製造販売等の事業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を設定する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四三年分の実際課税所得金額が七一、八七〇、〇〇〇円あったのにかかわらず、昭和四四年三月一五日東京都文京区本郷五丁目一八番三号所在の所轄本郷税務署において、同税務署長に対し、課税所得金額が一二、三六一、〇〇〇円でこれに対する所得税額が三、九〇九、七〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて同年分の正規の所得税額四三、一八〇、八〇〇円と右申告税額との差額三九、二七一、一〇〇円を免れ

第二  昭和四四年分の実際課税所得金額が一八三、二四四、〇〇〇円あったのにかかわらず、昭和四五年三月一六日前記本郷税務署において、同税務署長に対し、課税所得金額が三六、七九五、〇〇〇円でこれに対する所得税額が一五、八六〇、一〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて同年分の正規の所得税額一二三、九三六、〇〇〇円と右申告税額との差額一〇八、〇七五、九〇〇円を免れ

たものである。(なお右各所得の内容は別紙一、二の各修正貸借対照表のとおりであり、各税額の計算は別紙三の税額計算書のとおりである。

(証拠の標目)(かっこ内は立証事項であり、数字は別紙一、二の各修正貸借対照表の勘定科目の番号を表わす。)

一、大蔵事務官作成の次の書面

1 銀行調査書(一の2 3 4 5 6 28申告外雑所得、二の2 3 4 5 6 29申告外雑所得)

2 各期末受取手形調査書(一の8、二の8)

3 売上および期末売掛金額確定調査書(一の9、二の9)

4 貸付金調査書(一の10、二の11申告外雑所得)

5 前払金調査書(一の11、二の12)

6 製品等棚卸調査書(一の14、二の15)

7 固定資産合計額調査書(一の15 16 17 18 31、二の16 17 18 19 32)

8 事業主勘定調査書(一の21、二の22)

9 未決済小切手明細調査書(一の2、二の2)

各期末支払手形調査書(一の23、二の24)

買掛金調査書(一の24、二の25)

一、次の者に対する大蔵事務官の質問てん末書

1 板木崇(二通)(全般)

2 池尻すみゑ(八通)(全般、特に昭和四六年一月一二日付のものにつき一の1、二の1)

3 小暮清(昭和四五年一一月九日付)(一の12)

4 高村尚一(一の12、二の13)

一、次の者の作成した上申書

1 アイワ株式会社三辺祐介(一の13 22申告外配当所得)

2 大阪屋証券株式会社東京支店田中雄次(一の13、二の29)

3 右同新宿支店木暮元司(二の10 14 29申告外雑所得)

4 右同支店寺内省三(二の14)

一、次の者の作成した手形貸付元帳写に関する証明書

1 住友銀行白山支店長神戸昭雄(一の25、二の26)

2 光信用金庫駒込支店長堀越八郎(二の26)

3 王子信用金庫本店長井上功(一の25)

4 三井銀行上野広小路支店長米本一郎(一の25、二の26)

5 神戸銀行上野支店長市川精一(一の25、二の26)

一、次の者の作成した回答書

1 東京地方貯金局長花原秀雄(一の7 28、二の7 29)

2 文京根津郵便局長(一の22申告外給与所得、二の23申告外給与所得)

3 東京都文京税務事務所主事近藤友也(一の31、二の32)

一、押収してある次の証拠物(昭和四六年押一九一四号)

1 借用証書等一袋(符号1)(一の31、二の32)

2 火災保険証券一袋(同4)(一の31、二の32)

3 出納帳五綴(同13)(一の1、二の1)

4 小口現金出納帳(同14)(一の1、二の1)

5 四三年分の所得税の確定申告書等一袋(同60)(全般)

6 四四年分の所得税の確定申告書等一袋(同62)(全般)

一、被告人の当公判廷における供述および検察官に対する供述調書二通(全般)

一、被告人に対する大蔵事務官の次の質問てん末書

1 昭和四六年一月一三日付(一の13、二の14)

2 同月一六日付(一の12、二の13)

3 同月三一日付(一の20 31、二の21 32)

4 同年二月五日付(一の14、二の14 15)

一、被告人の作成した次の上申書

1 銀行預金残高および受取利息明細表について(一の2 3 4 5 6 28、二の2 3 4 5 6 29)

2 昭和四二年度昭和四三年度及び昭和四四年度の売上高について(一の9、二の9)

3 当社(池尻音響株式会社)と池尻茂氏との取引について(一の9 10 11、二の9 11 12 13)

4 当社(東北池尻電機株式会社)と池尻茂氏との取引について(二の9 11 12 13)

5 当社(池尻電機株式会社)と池尻茂氏との貸借取引について(一の10、二の11 26)

6 当社(淡路池尻電機株式会社)と池尻茂との貸借について(一の11 12、二の12 13)

7 当社(淡路池尻電機株式会社)と池尻電機産業社との加工収入の取引について(一の11、二の12)

8 私の所有する固定資産の減価償却について(一の15 16 17 18、二の16 17 18 19)

9 電話架設と電話加入権の金額について(一の19、二の20)

10 池尻電機産業社が支払った諸経費について(一の26 31、二の27 32)

一、被告人の作成した証明書(二の13)

(法令の適用)

各所得税法二三八条(いずれも懲役刑および罰金刑を併科)。

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第二の罪の刑に加重)、四八条二項。

同法一八条(主文2)。

同法二五条一項(主文3)。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 松本昭徳)

別紙一

修正貸借対照表

昭和43年12月31日

池尻茂

〈省略〉

別紙二

修正貸借対照表

昭和44年12月31日

池尻茂

〈省略〉

別紙三

税額計算書

〈省略〉

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