大判例

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東京家庭裁判所 昭和49年(家)3273号 審判

遺言執行者

申立人 宮崎昇助(仮名)

主文

申立人の遺言者亡萩実の昭和三四年一〇月二七日付公正証書遺言の執行に対する報酬を金二〇〇万円とする。

理由

申立人は遺言者亡萩実の昭和三四年一〇月二七日付公正証書遺言の遺言執行者に昭和四六年九月七日選任され、昭和四九年四月一八日付報告書のとおり右遺言の執行を終了したので、相当報酬の決定を求める、と述べた。

当庁昭和四六年(家)第七七九三号遺言執行者選任申立事件記録および同記録添付の申立人の昭和四七年一月二八日付上申書(財産目録調製報告)、昭和四九年四月一八日付遺言執行者任務終了報告書、近江八幡市○○町○丁目○番○宅地ほか八筆の不動産登記簿謄本、ならびに申立人、萩一郎、萩二郎、萩三郎、大貫俊子の各審問結果によると、次の各事実を認定することができる。

一  申立人は昭和四六年九月七日遺言者亡萩実が昭和三四年一〇月二七日なした公正証書遺言の遺言執行者に選任されたこと、

二  右遺言の内容は相続財産たる○○商事株式会社株式四一万六、四六四株、近江八幡市○○町所在の宅地五筆建物一七筆、東京都世田谷区所在の建物一筆、東京都渋谷区所在の建物三筆を相続人たる長男萩一郎に二分の一、残りの二分の一を右一郎を含む相続人全員七名に均等にそれぞれ遺贈するというものであること、

三  右遺言の執行については、遺贈にかかる不動産が遠隔地にわたつて数多く存在し、しかも賃貸中であるところから、これらの価額を鑑定して受遺者たる萩一郎等八名の受遺分額を確定することが一番苦労を要するところであり、右受遺分額にもとづき遺贈物件を具体的にいかに分割するか、さらにその分割結果にもとづき不動産の各登記手続を完了すること等少なからず苦心を要するものであること、

四  申立人は昭和四六年九月七日遺言執行者に就任以来、財産目録を調製して昭和四七年一月二八日当裁判所へその報告を遂げた後、受遺者等から数度にわたつてその意見聴取をした上、遺贈財産分割案を立案し、これを全受遺者に示して円満裡にその同意を得て分割協議を成立させ、それにもとづく所有権移転登記手続も完了したものであること、

五  萩一郎等受遺者全員は申立人の遺言執行につき満足していること、

六  右遺贈財産の総額は金一億四、七三五万三、〇七一円であること、

以上認定の諸事情を勘案すると、申立人の右遺言執行に対する報酬は金二〇〇万円を相当とする。

よつて主文のとおり審判する。

(家事審判官 渡瀬勲)

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