大判例

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東京高等裁判所 平成9年(ネ)288号 判決

主文

一  原判決を次のように変更する。

1  控訴人らは、被控訴人に対し、各自金三三二三万一二二二円及びこれに対する平成六年一〇月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被控訴人のその余の請求を棄却する。

二  本件附帯控訴を棄却する。

三  訴訟費用は、第一、二審を通じこれを三分し、その一を控訴人らの、その余を被控訴人の負担とする。

四  この判決の第一項の1は、仮に執行することができる。

理由

【事実及び理由】

一  当事者の求めた裁判

1  控訴の趣旨

(一) 原判決中、控訴人ら敗訴部分を取り消す。

(二) 被控訴人の請求を棄却する。

(三) 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

2  附帯控訴の趣旨

(一) 原判決を次のように変更する。

(二) 控訴人らは、被控訴人に対し、各自金九三七八万九一〇〇円及びこれに対する平成六年一〇月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

(三) 訴訟費用は、第一、二審とも控訴人らの負担とする。

二  当事者の主張

次のように付加するほかは、原判決の事実及び理由の「第二 当事者の主張」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。

原判決二枚目裏四行目の「進行して」の次に「信号機の設置されていない」を、同三枚目表四行目の「であり」の次に「、これは、被控訴人の後記職業からすれば、本来自動車損害賠償保障法施行令別表六級八号の『一手の五の手指……を失ったもの』に相当するが、後記パソコンを購入してこれを補助に使用すれば」を加える。

三  当裁判所の判断

次のように付加、訂正、削除するほかは、原判決の事実及び理由の「第三 当裁判所の判断」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。

原判決六枚目表一、二行目の「請求原因1及び2の各事実」の次に「(右争いのない事実を除く。)」を加え、同二行目の「右各事実及び」を削り、同裏二行目の「三九」の次に「、四三」を、同四行目の「収入」の次に「(付随業務の収入を含む。なお、右のうちかなりの部分を占める海外収入については、書証(甲一一ないし一三、一五、三〇、三九)及び証人林凰翔の証言(同証言は、その内容において特に不自然なところはなく、被控訴人本人尋問の結果や甲三三の陳述書の内容とも符号するのであって、信用に値する。)により、これを認定することができる。)」を加え、同七行目の「三六五日」を「三六六日」に、同八行目の「八二万五九一八円」を「八二万三六六一円」に、同九行目及び同一一行目の「一一八六万三二七四円」を「一一八六万一〇一七円」に、同一一行目の「六四六万七九二一円」を「六四六万六六九一円」に、同七枚目表三行目の「前記後遺障害」から同五行目の「ようであるが」までを「被控訴人の前記後遺障害は、いわゆる自賠責保険における事前認定手続において、右手部に常時疼痛を残すとの点で、後遺障害別等級の第一四級(労働能力喪失率は五パーセント)と認定され、右手指の関節については後遺障害非該当とされていることが認められる。しかしながら」に改め、同九行目の「三五」の次に、「、四三」を加え、同裏一行目の「右の」を削り、同三行目の「による」から同八行目の「思料される。」までを「は、一般には、自賠責の等級の認定上『末関節を屈伸することができ』ない(第一三級八号、第一四級八号)には該当しないのであるが、被控訴人の場合は、これらに該当するものとして、労働能力喪失率を九パーセントとするのが相当である(すなわち、右は、前記等級の第一三級八号及び第一四級八号に該当するものとして、第一三級の労働能力喪失率を採用する。なお、右判断につき若干敷衍するに、証拠(甲二七、三三ないし三五、四三、被控訴人)によれば、被控訴人は、僧帽弁狭窄又は閉鎖不全による心臓機能障害(身辺活動困難)の障害を有する一級の身体障害者であり、転職は極めて困難な状況にあること、イラストやアニメの制作には芸術的才能とともに製作者のきき手が重要な役割を担うことは明らかであり、本件後遺障害により被控訴人はきき手である右手人指し指及び中指の微妙な動きに制限が加わった結果、従前とは異なり、イラストなどの制作に多大の時間と集中力を要することとなったこと、被控訴人はそのため、納期の短い仕事の多くは断らざるを得なくなり、納期にゆとりのある仕事しか受けることができなくなったこと、実際、被控訴人の事故後の年収は大幅に減少し、生活状態も悪化していること(被控訴人本人は八〇パーセントの減収という。)などの諸事実が認められるところ、右判断はこれらをも踏まえたものであって、後記認定の補助器具(パソコン)の使用による労働能力の補完を考慮すれば、右判断以上の労働能力の喪失を肯認することは困難である。)。」に、同八、九行目の「一一八六万三二七四円」を「一一八六万一〇一七円」に、同九行目の「一七パーセント」を「九パーセント」に、同一一行目の「二五一三万二八二〇円」を「一三三〇万三〇七九円」に改め、同八枚目裏二行目の「三三」の次に、「、四三」を加え、同八行目の「三分の一」を「二分の一」に、同九行目の「三〇〇万円」を「四五〇万円」に改め、同九枚目表六行目の「四一七二万八六七一円」を「三一三九万七七〇〇円」に、同八行目の「四〇五六万二一九三円」を「三〇二三万一二二二円」に、同九行目の「四〇〇万円」を「三〇〇万円」に、同一一行目の「四四五六万二一三九円」を「三三二三万一二二二円」に改める。

四  結論

以上によれば、原判決は、過大に認容した点で一部失当であるから、本件控訴に基づきこれを変更し、本件附帯控訴はこれを棄却する。

(裁判長裁判官 鈴木康之 裁判官 丸山昌一 裁判官 小磯武男)

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