大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)536号 判決

被告人

根本末吉

主文

原判決を破棄する。

被告人を懲役六年に処する。

原審における未決勾留日数中六拾日を本刑に算入する。

原審並びに当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

弁護人伊藤利夫の控訴趣意第一点について。

刑事訴訟法第三百三十五条第二項に定められている事実の主張は必ずしも法律用語を用い、正確にこれを表現しなければならないという理のないことは所論のとおりであるけれども、本件について考えるのに、被告人は單に原審第一回公判廷で「本件を犯した時には七勾コツプで約二合位飲んでいた。平素の酒量は燒酎で最大限二合位である。その時は夕方少し時間が遅くて空腹のため、かなり醉つていた」と供述しているのみであつて、他に本件犯行当時の心神の状況について供述しているところは少しもないのであつて、これらを綜合して考えれば、前記供述の如きも判示犯行の動機事情を述べているのに過ぎず、心神耗弱の状態にあつたことを主張しているものではないと解するのが相当であるから、原裁判所がこれに対し判断を加えなかつたことは、相当と認むべきである。それゆえこの点に関する論旨は理由がない。

(本件は量刑不当により破棄自判)

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